万里の長城

トランプ大統領が非常事態宣言を出しても死守したいメキシコ国境管理のモデルは雍正帝による万里の長城を活用した異民族政策にある!

トランプ大統領

世界最強の超大国の指導者であるトランプ大統領がその実現に苦労しているメキシコ国境での万里の長城による国境管理が、非常に洗練されたスマートな形で清時代に中国では完成した状態で運用されていたことを紹介しています!

1.清朝時代の一国両制の要である藩部統治のあり方
1)モンゴル騎馬軍団の軍事力を確保するための藩部体制の確立
2)支配下の諸民族への懐柔策としての「藩部」体制
3)現地有力者を活用した間接統治を基調とした藩部支配
4)大清帝国の帝国性維持の基盤
2.中国内地と藩部地域との隔離政策の堅持とヒスパニック流入阻止を目指すトランプ大統領
1)大清帝国内部の境界としての万里長城の活用とメキシコ国境を正常化したいトランプ大統領
2)大清帝国の切り札としてのモンゴル騎馬軍団の実力温存策

1.清朝時代の一国両制の要である藩部統治のあり方

清朝は、地域の実情に合わせてきめ細かく統治の有り様を変化させ、効果的な支配を貫徹しようと試みた。「藩部」とはいってもひとくくりには収まりきらない様々な統治形態が採用されていたことが、その証左となるだろう。

1)モンゴル騎馬軍団の軍事力を確保するための藩部体制の確立

藩部要覧
清朝はその生命線である「中国内地の漢族農耕社会の経済力」を直接に掌握しつつ、中国内地を牽制しコントロールするための「モンゴル騎馬軍団の軍事力」を確保すると言う最重要課題を実現した。こうした「拡大された中華帝国」の統治政策の一環として「モンゴル騎馬軍団の軍事力」を継続的に確保するための「藩部」地域への征服活動とその安定した統治の貫徹が至上命題としてクローズアップされたと言えよう。これらの「藩部」地域への統治政策は、「中華」世界としての中国内地に対する科挙官僚による郡県制を基調とする直轄統治とは異なる「間接統治」方式を採用したが、その主眼としては「藩部の清朝配下での実効支配の貫徹」「藩部地域の政治的パワーの体制内での温存と分散」(1)を基調としており、多民族国家としての「現代中国」の淵源をなし、「想定外の事態としての西洋の衝撃」で動揺するまでの安定した中華領域支配を貫徹する有効な政策であったと言えよう。

2)支配下の諸民族への懐柔策としての「藩部」体制

乾隆帝
清朝の「藩部」体制は、ある意味では新たに支配下に加えた諸民族に対する「懐柔策」としての要素も濃厚であった。またその「懐柔策」は、ただ単に「藩部」に対してのみ採用されたとは言えないであろう。中国内地に対する統治も「新たに征服した漢民族」に対する「懐柔策」であったとも観ることが出来よう。
清朝の「中華」懐柔策としては、「中国」に都を構え、皇帝制度、宮廷制度、元号制度、学校・科挙制度、正史、暦などの一連の中国の伝統的政治文化制度を採用し、漢族儒学者を重用して中国の伝統的な中央集権制を実施した(2)ことが挙げられよう。一見「伝統的中華帝国」の後継者然としている清朝であったが、これらの施策は単に「郷に入りては郷に従え」と言うローマ帝国的な方針を実行しただけで「漢族に対しては漢族に相応しい態度で接する」基本方針を貫いただけであったのかもしれない。

3)現地有力者を活用した間接統治を基調とした藩部支配

ヌルハチ
「藩部体制」にもその基本方針として「伝統の継承を認め、慣習を変えない」と言う原則が有り、「現地民族社会の文化や伝統」を維持させることを基調としており、現地 民族集団の有力者を有効に活用して「間接統治」の実をあげ、「伝統社会」や「政治構造」に干渉することを慎重に避けることに特徴が有った。このような行き方の結実として、モンゴルにおいては清朝皇族とモンゴル王公との政略結婚が制度的に行われモンゴルの部族首領がそのまま行政の首長に横滑りする「ジャサク制」が敷かれ、チベットにおいてはダライ・ラマを頂点とする「政教一致」が採用され、新疆においては地元回族の有力者を首長とする「ベク制」が行われたが、これらの施策は「清朝支配下」の諸民族への「懐柔策」としての色彩の濃いものであった。(3)

4)大清帝国の帝国性維持の基盤


清朝当局者の考え方としては、清朝皇帝の下で平和と安定が維持出来るならば、支配下の諸民族はこれまでの「伝統社会」や「政治構造」をそのまま維持して暮らしていくことを許容すると言うものであり、これは中華エリアも含めた「清朝の天下」において長期的な安定した統治を確保した基盤を形成する考え方であったろう。諸民族としては、これまでと同様の生活が清朝皇帝の権威と強力な軍事力で保証されるのであれば、敢えて否定する理由を見出し得ないところであったろう。

2.中国内地と藩部地域との隔離政策の堅持とヒスパニック流入阻止を目指すトランプ大統領

1)大清帝国内部の境界としての万里長城の活用とメキシコ国境を正常化したいトランプ大統領

避暑山荘
「藩部体制」による統治のもう一つの側面として、中国内地と「藩部」地域との文化的交流や商業的な繋がりが制限されたことがあげられよう。藩部の各民族が中華の儒家正統を中心とした文化を学ぶことは禁止され、漢族商人の「藩部」での商業活動は許可制となって厳しく制限されることとなった。「藩部」に関する事務は中央政府の六部と同等の地位を占める「理藩院」で行われたが、「理藩院」の尚書・侍郎は満洲族のみが任命される制度となった(モンゴル族には副大臣級のポストが一つ提供された)。また「モンゴル律例」「欽定回彊則例」「欽定理藩院則例」などの藩部を対象とする特別な法律が制定され、万里長城の外にある熱河が事実上藩部の首都として整備された。(4)

メキシコ国境2

このように清朝極盛期においては、万里の長城の内と外を清朝皇帝が完全に掌握していたので、中国内地と藩部地域との人的交流や商業的な連関、文化的な接触を自由にコントロールすることが可能であったが、翻って現代のアメリカの特に南部国境地域の管理体制はどうであろうか。
少なくともアメリカはアメリカ本国側の管理権を掌握していることは間違いないところであるが、主権の及ばないメキシコ側のコントロールは実際問題不可能であるし、メキシコ側も内政干渉ということでEUのように絶対にアメリカの介入は許さないところではあるだろう。
今回のトランプ大統領のメキシコ国境の壁建設問題に関する発言に対しても、大統領から庶民までメキシコ側の反発は非常に大きいものが感じられる。
また国境を隔ててアメリカ側とメキシコ側で経済的な豊かさや成功可能性という点において、文明圏を隔てるレベルの落差が存在することは間違いないところであろう。
そういう意味では、真剣に南部国境の出入国管理を徹底するためには、まずは国境に現時点で言えば38度線並みの緊張感のある万里の長城を建設して水際で移民の流入を防ぐことが先決であり、その先にメキシコへの必要に応じた経済支援等も含めたタフな二国間交渉を行って、1100万人の不法移民問題も含めて解決の道筋をつけていくしかない、との方向感をトランプ大統領が抱いている、ということにもなろうか。

そのように考えれば、清朝極盛期と現代アメリカでどちらが、自らの版図及びその周辺に実質的なコントロールが出来ているのかを比較すると、意外にも現代アメリカの方が打てる策が少ない、という要素もあるのかもしれない。
そういう意味では、トランプ大統領の「Make America Great Again」の真の目標は、1950年代のアメリカというよりも、直近の歴史的な超大国の中では清朝極盛期の「Great China」の方がイメージに近いような気もする今日この頃である。

2)大清帝国の切り札としてのモンゴル騎馬軍団の実力温存策

アヘン戦争
このような「藩部」地域の「漢化」抑制策及び「中国内地」からの分離政策は、「満洲族」と緊密に連帯する主として騎馬民族集団からなる「藩部」の軍事力を温存することで、「中国内地」を包囲・牽制して「満洲族」を中心とする清朝の支配体制をより一層強固なものとすることにあった、と言える。
こうして清朝は、中国内地を「伝統的な中華帝国大一統」の枠組みで統治しつつ、それを包囲する形で理藩院・藩部体制を構築して「モンゴル族を中心とする騎馬民族集団」を清朝の配下に取り込み、その実力を温存することで永続的な「拡大された中華天下」の支配を貫徹しようとしたのである。
そしてこのような体制は、万里長城が軍事的意味を喪失したようにほぼ想定通りに成功し、乾隆帝の極盛期の後、白蓮教徒の乱で動揺しながらも「乾嘉の文運」を謳われた嘉慶帝の時代を経て、道光帝時代のアヘン戦争に至るのである。

清朝初期にこのような「モンゴル騎馬軍団を活用して漢族を中心とする諸民族を従えることを帝国統治の根幹と成す」と言う大清帝国のグランドデザインが完成されていたとも言えるが、このシナリオには西洋の衝撃と言う要素が抜け落ちていたために、アヘン戦争以降に清朝の支配体制は混迷を極めることとなったと言えよう。
逆に言えば、清朝初期に東アジアをベースにして大清帝国のグランドデザインを構想した同じ顔ぶれが、西洋の脅威も視野に入れた全地球規模のグランドデザインを構築出来ていれば、東西の勢力均衡における西洋の圧倒的な優位の実現にも影響があったかも知れない。

尚、本稿で取り上げた清朝の中華帝国統治方針の戦略性については、以下のリンクでも詳しく取り扱っております。
清朝極盛期の乾隆帝のチベット,新疆征服は戦略的な帝国統治政策のモデルケースである!

参考文献
(1)石橋崇雄 大清帝国への道 講談社 2011 第四章 最大版図の形成 p202
(2)王柯:多民族国家 中国 岩波書店 2005 第2章 漢民族国家と言う幻想 p35
(3)王柯:多民族国家 中国 岩波書店 2005 第2章 漢民族国家と言う幻想 p35
(4)王柯:多民族国家 中国 岩波書店 2005 第2章 漢民族国家と言う幻想 p36

トランプ大統領が非常事態宣言で建設するメキシコ国境の壁による異民族管理モデルは清朝極盛期の万里の長城方式である!

万里の長城

トランプ大統領がメキシコ国境に建設しようとしている万里の長城と大清帝国時代の長城の位置づけの同質性を、モンゴル、新疆、チベット等の藩部へ拡大した中国領土で理藩院制度の採用等により一定の安定した統治を実現した背景及び統治構造と原理も踏まえて解明する。

1.大清帝国の領土拡大の第一段階としての対モンゴル戦略
1)トランプ大統領がメキシコ国境に築く万里の長城と清朝極盛期の万里の長城
2)漢族農耕社会の安定確保のための最大の脅威であったモンゴルの併合
3)漢族を安定的に支配するための軍事力確保のためのモンゴル騎馬軍団のコントロール
2.大清帝国の領土拡大の第二段階としての対チベット戦略
1)モンゴル族コントロールのための施策の一環としてのチベット進出
2)広大な版図支配貫徹のための軍事力調達を目指した領土拡大
3)対モンゴル政策の一環としてのチベット進出とチベット仏教コントロール
4)トランプ大統領がメキシコ国境に築く万里の長城と軍事性のない大清帝国の長城
3.大清帝国の領土拡大の第三段階としての新彊確保
1)新彊エリア進出の目的
2)新彊に対する三様の統治方針

1.大清帝国の領土拡大の第一段階としての対モンゴル戦略

1)トランプ大統領がメキシコ国境に築く万里の長城と清朝極盛期の万里の長城

清朝最大版図

メキシコ国境地図
大清帝国の最大版図は、1759年に天山山脈南北両側地域が新疆と命名されたされた時点で完成し、この時点をもって現代に至るモンゴル、チベット、新疆を含む多民族国家「帝国としての中華」が成立した。清朝は、これらの新領土を直接支配地域と区別して間接支配地域とし、「理藩院」制度を採用して統治した。
それでは、このような清朝の領域拡大ひいては藩部の設置の主目的は、何だったのだろうか。これについては、広い意味で対モンゴル政策にあったという見方が出来る。

ちなみに、この時点で完成した間接支配地域と直接支配地域の境界線として、明時代に大規模に改修・新設された万里の長城が大清帝国でも活用された。
この段階では既に万里の長城の軍事的な意味合いは失われており、文明圏の境界・民族的な境界・経済的な境界というような今日トランプ大統領が、メキシコ国境に建設しようとしているのと類似した新「万里の長城」としての位置づけが確立していた。

2)漢族農耕社会の安定確保のための最大の脅威であったモンゴルの併合

モンゴル騎馬軍団
領土拡大の第一段階としての内モンゴル併合については、「遼東における漢族の農耕地域」を内モンゴルの軍事的な脅威から解放する点にあった。
元来、清朝はその経済基盤として漢族農耕社会を想定していたので、中国内地支配の目的も一義的には経済基盤の確立が、その主眼であった。このような漢族農耕社会の確保にとって最大の脅威が、モンゴルの軍事力だったのであり、その脅威を取り除くために内・外モンゴルの服属化は清朝にとって不可欠で喫緊の政策となった。(1)
このように清朝の帝国建設に向けた歩みは、場当たり的で論理性があまり感じられない「国民帝国」の構築過程と明らかに違って計画的であり、戦略に基づく政策の積み重ねと言う傾向を強く持っていた。

3)漢族を安定的に支配するための軍事力確保のためのモンゴル騎馬軍団のコントロール

理藩院
他方で経済的な基盤を形成する漢族に対して満洲族は、人口的に圧倒的に劣っており、中国内地を安定的に支配するためには、モンゴルの軍事的協力を確保しておく必要が有った。こうした事情によりモンゴルを適切に管理し、その軍事的なパワーを有効に活用していくために、盟旗制と言う行政・軍事組織を設置してその遊牧地を固定化し、理藩院を通じたモンゴル族の支配を実現した。(2)
こうして明の時代に中国を圧迫したモンゴル騎馬軍団を完全に取り込むことで、清朝が中華エリアをコントロールする軍事的な基盤が形成されていった。

2.大清帝国の領土拡大の第二段階としての対チベット戦略

1)モンゴル族コントロールのための施策の一環としてのチベット進出

ポタラ宮
さらに清朝のチベットへの進出についても、元々はモンゴル対策としての色彩が濃厚であった。すなわち、清朝の帝国支配に不可欠の戦力であるモンゴル族の信仰がチベット仏教であったということで、チベット仏教を通じてモンゴルをコントロールすることを目論んだわけである。ここで目指されたのがチベットを清朝の統治体制に組み込むことで、チベット仏教の教主であるダライ・ラマとパンチェン・ラマを清朝の影響下に置こうとしたことである。(3)

2)広大な版図支配貫徹のための軍事力調達を目指した領土拡大

モンゴル騎馬軍団3
満州人自身の人口は限られており、広大な版図の支配を貫徹することが自力では困難であるので強力なモンゴル騎馬軍団の戦力を取り込まなければならなかったのだが、このことにより派生的に清朝による様々な施策に繋がっていったことが明らかになってくる。ここに清朝の政策の一貫性と戦略性が垣間見えてくるところである。

3)対モンゴル政策の一環としてのチベット進出とチベット仏教コントロール

ダライラマ
清朝は、チベットのモンゴルへの宗教的影響力を低下させるべく最高活仏ダライ・ラマに集中する権威を分散させ、理藩院がチベット各地に散在する活仏を把握して、宗教的権威の拡散を図った。一方でダライ・ラマにチベット社会の支配をゆだね、かつダライ・ラマを清朝の監視下に置いた。こうして清朝の影響力をチベットに浸透させ、チベットの保護国化を推進したわけであるが、これらのチベット進出策の主目的は、先に指摘した通りチベット仏教をコントロールすることによりモンゴル騎馬軍団をも清朝の影響下に置こうと言う点にあった。チベット民族を直接の対象とする民族政策ではなく、ダライ・ラマの宗教的権威を調達することで、モンゴル族を懐柔する点に狙いがあった。(4)

4)トランプ大統領がメキシコ国境に築く万里の長城と軍事性のない大清帝国の長城

長城修復

ティファナ検問
こういうわけで元々清朝の内陸部への進出のねらいがモンゴル騎馬軍団のコントロール確保にあったため、チベットに対する宗教政策も民族政策もモンゴル政策の延長線上の派生的なものであった。明朝皇帝が四六時中モンゴル騎馬軍団に悩まされ、万里長城の維持強化に血道をあげていたのと較べると清朝の政策の何という卓抜した手腕と目のつけどころであろうか。ここには政治的なセンスの違いと共に、中華文明の「華夷の別」という発想の限界も露呈していると言えようか。

このように万里の長城は、春秋戦国時代に建設が開始された当初から明の時代まで、北方のモンゴル騎馬民族や女真族に対する長大で軍事的な要塞としての位置づけを一貫して保持してきたのであったが、大清帝国の極盛期に至ってモンゴル騎馬軍団を清朝が勢力圏に組み入れることに成功したことにより、万里の長城の位置づけが根底から変化することとなった。
すなわち、万里の長城は大清帝国という巨大な天下における中華文明圏と北方遊牧民等の文明圏の境界線という平和的ながら厳然とした位置づけに変化した、と言えるだろう。
このことは、トランプ大統領が最大の公約の一つとして推進を目指す、メキシコ国境における万里の長城の位置づけにも類似しており、中華文明圏=アメリカ先進文明圏と北方遊牧民等の文明圏=メキシコあるいはその後背に広がるヒスパニック文明圏の境界線と言い換えると、トランプ大統領の認識する世界観にかなり近づくのではないだろうか。

歴史的な事実としても、大清帝国は軍事的な意味合いを喪失した万里の長城を最大限活用して、中華文明圏と北方遊牧民等の文明圏の融合を許さず、一国両制を採用し、中華文明圏=中国内地と北方遊牧民等の文明圏=藩部を対置して、厳然と区別した統治政策を貫徹した。
すなわち中国内地の首都は帝都北京とし、藩部の事実上の首都は熱河離宮というように統治の中枢まで区別する徹底ぶりであった。

それに対して、今日のアメリカの特に南部国境に対する入国管理制度は、相当に甘く、国境線も一定のレベルでは管理されているものの、密入国が絶えず、1100万人規模の不法移民を抱える現状となっている。
このような状況は、残念ながら大清帝国の緻密で戦略的な国境管理政策に大幅に後れを取っている、というのが、両者を比べた場合にはトランプ大統領の認識となるだろう。

いずれにせよ、客観的にみても大清帝国の極盛期と現代アメリカ合衆国のどちらが、近代的で合理的な入国管理を含めた統治政策を推進しているか、を考えると前者に軍配が上がりそうな気がしてならない。
このあたりが、トランプ大統領及びその支持者にとって、現代のアメリカは国境の管理すらまともに出来ない、中途半端な国家とも考えられ、どうしても我慢ならないところであろう。
さらに、トランプ氏がメキシコ国境に厚く高い壁を建設すると高らかに公約して、大統領に当選してから相当な日々を経過した今日の時点でも、メキシコ国境に築くべき新万里の長城は、予算の問題や議会における与野党の政争等に阻まれ、任期中に着工出来るか否かの目途も立たないありさまである。
これでは、かつての大清帝国皇帝の方が、現代の超大国たるアメリカの大統領よりも遥かに圧倒的に政策遂行能力が高く、国境管理における責任能力も実行力も兼ね備えていた、と言わざるを得ないような気がしてくる今日この頃であり、トランプ支持者のオルトライトが現状に怒り狂うのもあながち不思議ではないかも知れない。

3.大清帝国の領土拡大の第三段階としての新彊確保

1)新彊エリア進出の目的

新疆征服

さらに新疆と命名された天山山脈の南北両側地域への清朝の進出と征服の目的もモンゴルの安寧とチベットの保持のためであり、これもまた対モンゴル政策の一環と言えるものであった。このことは乾隆帝が当時のモンゴルやチベットとの関連性が薄い西トルキスタン方面には決して進出しなかったことでも例証できるであろう。すなわち、清朝の東トルキスタン方面への征服の主目的は、モンゴルの安定とチベットへの外敵の侵入を阻止する防波堤を築くことであったと言えよう。(5)

2)新彊に対する三様の統治方針

新疆統治
新疆に関しては、北路、南路、東路の三地域でそれぞれ統治政策を異にしており、北路に関してはイリに軍政の根拠地を置いてジュンガルの影響力の一掃を図り、八旗兵や東北地方の少数民族及び服属したモンゴル族に土地を与え、ジャサク制をとり藩部特有の制度を採用して統治した。南路のイスラム地域に関しては、辮髪を強制せず、地域性を尊重しつつベクや派遣官僚による直接的な統治を進めた。東路は中国内地の延長との位置付けから、郡県制を採り、中国内地同様に科挙官僚による清朝の直接的支配を受けた。(6)

本稿で取り上げた清朝の中華帝国統治方針の戦略性については、以下のリンクでも詳しく取り扱っております。
清朝極盛期の乾隆帝のチベット,新疆征服は戦略的な帝国統治政策のモデルケースである!

参考文献
(1)石橋崇雄:大清帝国への道 講談社 2011 第四章 最大版図の形成 p198
(2)石橋崇雄:大清帝国への道 講談社 2011 第四章 最大版図の形成 p199
(3)石橋崇雄:大清帝国への道 講談社 2011 第四章 最大版図の形成 p199-p200
(4)石橋崇雄:大清帝国への道 講談社 2011 第四章 最大版図の形成 p200
(5)石橋崇雄:大清帝国への道 講談社 2011 第四章 最大版図の形成 p200-p201
(6)石橋崇雄:大清帝国への道 講談社 2011 第四章 最大版図の形成 p200-p201

トランプ大統領の非常事態宣言はヒトラーの全権委任法による独裁体制確立と同様にラストバタリオンによるアメリカ乗っ取り=ナチ化の突破口である!

いつ決断するのか、と注視していたメキシコ国境の壁建設を巡る、トランプ大統領の非常事態宣言発動と強権的な政策遂行開始が遂に現実のものとなりました。

これまで、トランプ政権の実態について、いろいろ指摘してきましたが、今回の非常事態宣言は、戒厳令や軍事独裁へ直結しかねない、民主主義を危機に陥れる可能性の高い選択と言えなくもないでしょう。

これは、当にヒトラーが独裁体制を確立するキッカケとなった全権委任法を彷彿とさせるものとも言え、トランプ政権は非常事態宣言を発動することで、そのラストバタリオン的な性格を益々白日の下に晒し始めたと言えるのではないでしょうか?

ちなみに、これまでのトランプ政権内幕暴露本とは別格の信憑性を持ったニクソン大統領を辞任に追い込んだとされる「大統領の陰謀」を暴いた一人のボブ・ウッドワードの「Fear: Trump in the White House」が全米で発売され、初日に90万部を完売したとされていますが、この中に記載されている内容を子細に検討すれば、トランプ大統領が「アメリカを当に弱体化し世界を混乱の渦に巻き込もうとしている」という主張の正当性が証明されているような気がしましたが、今回の非常事態宣言の発動は、単なる政権内部の混乱と政策遂行の混迷くらいでは済まない形勢の進展であり、トランプ政権によりアメリカの政治状況が、より重大な危機の段階に入ったと言えるのではないでしょうか。

もはや、トランプのラストバタリオンとしての正体を見抜いたエスタブリッシュメント側の反撃として、ニューヨークタイムズが既に時効でこれまでにも語り尽された感のあるトランプの脱税や父親からの相続の問題を蒸し返し、ワシントンポストが昔の名前で出てきた訳でもないんでしょうが、当に満を持してウッドワードのいわゆる「これまでにない信憑性の非常に高いトランプ政権内幕暴露本」をそれぞれ中間選挙に照準を合わせてぶつけてきたこと、などは今回の非常事態宣言発動に較べれば小さな話に思えてきました。

今後のアメリカ政治の見どころの一つは、これらのエスタブリッシュメント陣営の大攻勢に対して、トランプ=ラストバタリオン陣営がどのような反転攻勢を行って、中間選挙の結果を踏まえて下院の過半数を制した民主党の攻勢を凌ぎ大統領選挙での再選を勝ち取れるか、というところではありますが、今回の非常事態宣言発動のより、政権と野党の抗争の一層の激化は避けられないでしょう。

ともかくこれまでにトランプ大統領は、既にラストバタリオンの正体を白日の下にさらけ出したかのように、盤石を誇っていたアメリカの支配構造を根底から覆すような言動を繰り返してきましたが、2018年春の段階で手の平を返したように不倶戴天の敵と思われた金正恩との首脳会談の設定を行い、返す刀でティラーソン国務長官、マクマスター国家安全保障担当補佐官を解任し、自らの意向を反映し易いポンペオ、ボルトン両氏を後任に据えました。
北朝鮮と融和しつつ、中国とは貿易戦争から遂には「封じ込め政策」あるいはペンス副大統領の演説を読み解いた先には米中新冷戦の様相すら漂い始めました。またモラー特別捜査官の干渉を嘲笑うかのようにロシアのプーチン大統領への融和的な姿勢も目立ち始めています。
さらに、ここへ来て非常事態宣言発動と言うことになれば、トランプ政権の施策には訣別したはずのバノン路線がより本格的に復活してきた印象も強いですが、全般的には当にトランプ大統領独裁政権の完成間近の様相とでも言うべき展開も感ざるを得ないところです。そういう意味では、政治的にはバノン氏は、既に復権を果たし、トランプ大統領再選のシナリオを練り上げ、その再選戦略を完成してトランプに承認され、トランプ政権はそのシナリオ=再選戦略に基づいて動き始めている、とも言えるかも知れません。

そもそもトランプ大統領は、就任以来アメリカの分断を助長し、特にリベラル派やマスコミの神経を逆撫でするような言動を故意に強調してきたような節がありますが、遂に南軍のリー将軍像撤去をめぐる混乱に関して、アメリカの政治指導者が避けてきた白人至上主義に同情的で、リベラルなデモ隊と白人至上主義団体を同列視するようなコメントを行い、世論やマスコミを敢えて激昂させており、国民統合の象徴としての資質については疑問視せざるを得ません。
このような言動は、到底これまでの合衆国大統領では有り得ないものですが、トランプ大統領の動きの背後には、ヒトラーの予言したラストバタリオンの計算され尽くしたアメリカ解体劇が隠されているのかも知れません!?
そういう意味では、モラー特別捜査官が本当に捜査すべきトランプ関連の疑惑は、ロシアンゲートなどという皮相的で小規模な疑惑ではなく、UFO問題や南極大陸の地下基地や南米の秘密基地を巡る非公開情報問題、ひいては第二次世界大戦の幕引きを巡る米ソの非公開機密情報問題まで包含したラストバタリオンゲートとでも言うべき壮大なナチスドイツやヒトラーにまつわる非公開機密情報事案とトランプ政権との関連にある、ような気もしてきています。

ナチスUFO

1.アメリカを混乱に陥れるトランプ大統領の言動?
1)アドルフ・ヒトラーが予言したラストバタリオンとは何か?
2)アメリカのパンドラの箱を開け放ったトランプ大統領の出現
2.トランプ大統領の目指す偉大なアメリカ復活の先にあるもの
1)トランプ大統領の選挙スローガンに出てくる偉大な頃のアメリカの状況
2)徐々に浸食される白人男性優位のアメリカ社会の変貌とトランプ氏勝利の連関
3.トランプ大統領の実態は、アドルフ・ヒトラーの予言したラストバタリオンである
1)トランプ大統領は本当に「偉大なアメリカを復活」させる気があるのか?
2)トランプ大統領はアメリカを弱体化させるための「草」としてのエージェントかもしれない?
3)メキシコ元大統領が遂にトランプ大統領とアドルフ・ヒトラーの類似性に言及
4)トランプ政権誕生にロシア・プーチンだけでなくヒトラーのラストバタリオンも関与?
5)アドルフ・ヒトラーのラストバタリオン予言の実現を急ぐかのようなトランプ大統領の異様な言動

1.アメリカを混乱に陥れるトランプ大統領の言動?

1)アドルフ・ヒトラーが予言したラストバタリオンとは何か?

ラストバタリオン
第二次世界大戦末期の1945年に、かのアドルフ・ヒトラーがラジオを通じて最後の演説を行った中で非常に気になる用語に「ラストバタリオン」というのがあり、そこでは当時「ドイツを東西から挟撃していたソ連とアメリカが、ある程度時間が経過すると仲違いして争い始める」ことを予想し、「その争いの中でラストバタリオンたるドイツの軍団が決定的な役割を果たし、最終的な勝利を手にする」というような発言をしている、と聞いたことがあります。
このヒトラー最後の演説は、非常に聞き取りにくく、文章に起こすのも大変なようで断片的にしか伝わっていないようですが、少なくとも演説の中核としての「予言」は、第二次世界大戦に間もなく勝利するであろう米ソ間で発生する争いの間隙を突いてドイツのラストバタリオン集団が出現し、世界の混乱を助長しつつ最終的な勝利が約束されている、というように受け取れるのではないかと思われます。

2)アメリカのパンドラの箱を開け放ったトランプ大統領の出現

反トランプデモ
さてNHKのBS1スペシャルに「ザ・リアル・ボイス~ダイナーからアメリカの本音が聞こえる」という番組があり、トランプ大統領の出現についてアメリカ国民の本音をアメリカの大衆食堂に集う普通の市民から聞いて回るという内容で非常に興味深いレポートになっていました。その中で「トランプの言う偉大なアメリカの復活というスローガンの中に人種差別の復活や社会の融和に逆行する強いメッセージが含まれており、トランプが大統領になることでアメリカ社会に不可逆的に亀裂が発生してしまった」という話がありました。
すなわち、トランプ大統領は選挙戦を通じて、さらには大統領就任後も一貫して、第二次世界大戦後のアメリカ社会が進歩?として封印あるいは少なくとも表面には出さずに来た、差別意識や人種、男女間、移民等への複雑な感情の渦を再び解き放ち、パンドラの箱を開けて混乱を撒き散らしている、ということは間違いないようですね。
そのことは、アメリカ全土を覆う数百万人を数える反トランプデモでも、立証されているような気がします。
首都ワシントンのホワイトハウスの直近のエリアも含めて、全米で数百万人の反政府デモが行われて市民が積極的に参加しているというのは、歴史的社会的環境は大幅に違い、一概に比較は出来ないことは言うまでもありませんが、1989年の天安門事件当時の中国の混乱時をも上回るような規模であることは事実です。

2.トランプ大統領の目指す偉大なアメリカ復活の先にあるもの

1)トランプ大統領の選挙スローガンに出てくる偉大な頃のアメリカの状況

偉大なるアメリカ

4 R

トランプ大統領が政権の最大の公約として連呼する「Make America Great Again」でイメージされている1950年代のアメリカは、確かに第二次世界大戦に勝利し、好景気に沸き経済も圧倒的に優勢で、アメリカ車も理想のクルマとみなされる絶頂期であったが、社会的には根強い差別感情が底流に(あるいは表立って)存在し、白人至上主義とまでは言えないものの、白人でしかも男性が圧倒的に優遇され大手を振って闊歩していた時代であった、ということになるようです。
逆に言えば、そのころは黒人も女性も新しくアメリカに入国してきた移民たちも、肩身が狭く厳しい差別に晒されて不自由で窮屈な暮らしを余儀なくされていた、ということになるといえましょうか。
今回、トランプ氏が大統領になって、反射的に?反トランプデモが全米を覆うようになったのは、「50年代の偉大なるアメリカ」当時の肩身が狭く窮屈な暮らしを思い出したり想像したりして、現時点では自由や伸び伸びと溌溂とした生き方を実現しているような人々が実感として、トランプ大統領の導こうとしている「偉大なるアメリカの時代」への拒絶意識を表明している、ということになりそうです。
そして、そのあたりを強調するリベラル派やマスコミに敢えて鉄槌を下すようにリベラル系のデモ隊と白人至上主義団体を同列視するようなコメントを発し、世論やマスコミを激昂させている状況と言えましょうか。

2)徐々に浸食される白人男性優位のアメリカ社会の変貌とトランプ氏の勝利の連関

公民権運動キング牧師

その後50年代以降のアメリカは時代が下るにつれ、製造業の中核であった自動車産業が崩壊に瀕したり、家電製品市場に日本製が溢れたり、消費財には中国製が溢れたり、というように徐々にアメリカの第二次産業が衰退していき、それと軌を一にするように「白人男性優位の社会から弱者保護、人種差別撤廃、女性の地位向上、移民への寛容」といったようなリベラルな施策の効果もあり、「本来アメリカの中核であったはずの白人男性が肩身の狭い思い」をする社会になってしまった、ということになるんでしょう。

今回のトランプ大統領の出現は、そういう「50年代以降のアメリカのリベラルを基調とした流れに真っ向から反発」するものであり、「いつの間にか虐げられていた白人の地位復活」こそが、今回の大統領選挙の隠れた最大の争点に浮上してきた状況の中で、大半のマスコミやリベラルな知識人も、ほとんど全くと言っていいほど、そのことに気付くことなくトランプ氏の勝利をただただ唖然として見守るという、結果になったようです。

3.トランプ大統領の実態は、アドルフ・ヒトラーの予言したナチスのラストバタリオンである

1)トランプは本当に「偉大なアメリカを復活」させる気があるのか?

アメリカ移民船
そういう中で、就任早々トランプ大統領は、オバマ時代の遺産を葬り去ることを急ぐかのように、矢継ぎ早に大統領令を連発しています。
オバマケアやTPP、移民や難民に対する寛容政策といったオバマ氏が中心的に取り組んだ、「リベラルで先進的な業績」の数々が一片の大統領令でいとも簡単に振り出しに戻されているようにも見える今日この頃とも言えましょうか。
オバマが政権終盤に向けて整備に努力し、ようやく日の目を見た、あるいは滑り出しつつあった、これらの政策の有効性を現実の流れの中で一切評価することなく、あっさりと廃止するような挙に出るトランプ大統領の行動は、控えめに見積もっても慎重さが足りないと言えますし、直言してしまうと短慮な軽挙妄動であり、自己の信念のみを貫こうとする猪突猛進の類と言わざるを得ないでしょう。
まさか、合衆国大統領にこのような行動に出る人物が就任し、ホワイトハウスが少なくとも4年間も支配されるというのは、つい数か月前までは世界中の多くの人々が、予想もしなかった出来事でもあり、何だか空恐ろしいような気がすると言えましょうか。

2)トランプはアメリカを弱体化させるための「草」としてのエージェントかもしれない?

アプレンティス
トランプ氏に関しては、一時クリントン陣営からは「プーチン氏の操り人形で、ロシアのエージェント紛いの人物である」とのスキャンダラスな中傷が語られたこともありましたが、これは荒唐無稽としてアメリカ市民に受け入れられることもなく選挙結果にも反映せずにクリントン氏は敗北を喫しました。

ちなみにトランプ氏はドイツ系であり、祖父の代の1885年にドイツからアメリカに渡ってきた移民三世にあたるようですが、トランプ家ではアメリカとドイツが二度にわたって世界戦争で対決した経緯もあり、ドイツ系ではなくスウェーデン系であると主張していた時期もあるようです。
このようなトランプ家の出自の話を聞いて思い出したのは、昔の忍者の類型の中にあった「草」と呼ばれる存在のことでした。
ここで取り上げた「草」と呼ばれる忍者の一群は、表立った武力としての忍術を駆使するわけではなく、「敵地に潜入して職業や住居を確保して、完全に敵地の人間として生活し、何代にもわたって情報収集や敵地の市民の洗脳、思想工作などを主体に陰に陽に継続的に活動」する存在であった、ということです。
忍者、草

そういえば、トランプ氏はテレビ番組や映画などのメディアに積極的に出演することで知られており、特に2004年から放送されているNBCの「アプレンティス(The Apprentice)」に、おいては番組のホスト役を自らプロデュースしながら務めていたのは有名な話です。ちなみに、この番組の視聴者の多くがトランプに投票した、という説もあるようです。
また映画に関しては、比較的有名な「ホームアローン2」への出演をはじめ、多くの映画に端役ながら顔を出しているのも、確認出来るところです。こうしてみるとトランプ氏は、何だか顔を出せるところには、どこにでも積極的に出演する姿勢が見え隠れしているような気がします。
だからと言って、トランプ氏がいわゆる「草」のような存在であるとは、誰も断言することはできませんが。。。
ホームアローン2

ちなみに現代のドイツの政治的な主流派であるメルケル首相やドイツのマスコミからは、名実ともにトランプ氏の選挙戦以来の偏狭なナショナリズムに基づくような極端な主張や保護主義的な姿勢に対する警戒感が強く、ルーツを同じくするドイツ系大統領の出現とは言っても独米関係がにわかに緊密化する気配は全く感じられません。
少なくとも表面的には、現代のドイツがトランプ氏に「EUの盟主として自由と民主主義の旗手を標榜しつつあるドイツ連邦共和国」との関連で、「草」の役割を期待していることは、今のところなさそうであると言えるでしょう。

3)メキシコ元大統領が遂にトランプ大統領とアドルフ・ヒトラーの類似性に言及

ラストバタリオン

さて、そういう中でトランプ大統領に「メキシコ国境に壁を築くにあたって建設資金を出せ、と恫喝」されているメキシコでは、元大統領がトランプ氏とアドルフ・ヒトラーの類似性に言及しているようです。メキシコ元大統領が遂にトランプ大統領とアドルフ・ヒトラーの類似性に言及

アメリカ国内外で、トランプ大統領が就任早々に発令した「難民の受け入れ停止、イスラム圏からの入国禁止」に関する大統領令への反発が大きく広がりましたが、このようなトランプ大統領の決定がアメリカの建国の理念や国家の成り立ちといった、アメリカを歴史的に形作ってきた基本的な枠組みを根底から覆す危険で不可逆的な流れを引き起こすのではないか、との懸念も湧き上がって来ている印象があります。
このようにトランプ大統領は、就任早々アメリカという偉大な超大国の成り立ちを揺るがすような、ある意味では国家の成立基盤を根底から危うくするような政策を、「議会の承認や国民の意見」を一切顧慮する様子もなく?展開してきているわけですが、これはいわゆる「授権法(=非常事態の発生に対し通常の立法・行政手続きを行わずに権力を行使できる権限を与える法律)」の発動を連発する独裁者の行動を連想させるところもあるでしょうか。

こうしてみると、そのうちトランプ氏は、ロシアのプーチンのエージェントではなく、また言うまでもなく「EUを操りヨーロッパの盟主の地位を伺いながらも自由貿易と民主主義の旗手を自認する現代のドイツ」の「草」でもなく、「その真の実態はアメリカを混乱させ弱体化するために送り込まれた、かつてアドルフ・ヒトラーが最後の演説で言及した”ナチスドイツの最終勝利??を確保するためのラストバタリオン”ではないか?!」というような説が出てきても不思議ではないかもしれません。

4)トランプ政権誕生にロシア・プーチンだけでなくヒトラーのラストバタリオンも関与?

ロシアンゲート

すなわち、かつて第二次世界大戦の末期に、ヒトラーが予言していたラストバタリオンは、米ソに匹敵あるいは凌駕する強力で一枚岩の軍事的な集団として世界を混乱に陥れる、と想定されていたように読み取れますが、その後の時代の急激な変化の中でソ連が崩壊した今日に至っては、世界を制するためには当面は唯一の超大国アメリカを内部から掘り崩せば事足りる、という方向に方針が変容したのかも知れません。

国家安全保障担当補佐官のフリン氏の辞任問題も含めてトランプ政権とその成立に向けた合衆国大統領選挙の過程にはロシアが関与していた可能性が取り沙汰されており、ニューヨークタイムズあたりはその線でトランプ政権に徹底抗戦の構えに出ているようですが、普通の人が常識的に判別出来るような世の中に当たり前に出回っている情報の多くは、実はその大半が世論を誘導するための引っ掛け情報である、という見方があります。
つまり本当に重要な事案の真相は、表に出ている情報の裏の裏を読まないとはっきりしてこない、というわけです。例えばアメリカ政府の情報操作で記憶に新しいのは、イラク戦争開戦の前に政権側から流布され続け、今や世紀のガセネタとして暴露されている「大量破壊兵器」の問題というのもありました。これなどは、あまりにも単純過ぎるウソではありましたが、世界はうっかり騙されてしまいました。

そういう意味で、今回の合衆国大統領選挙の選挙戦の推移の中に何らかの謀略的な世論操作が入り込んでいるということは、十分にあり得ます。確かに選挙自体は100%公正に行われ、開票結果に関しても操作が行われたことはない、とは信じたいと思います。とはいえトランプ大統領自身は、開票集計作業そのものにも疑問を呈しており、選挙に負けたら開票の不正を追及すると宣言していたようですし、選挙に勝った後も執念深く自分の得票率がヒラリー・クリントンより低いのは開票作業に不正があったからではないか、とコメントしていましたが。。。

5)アドルフ・ヒトラーのラストバタリオン予言の実現を急ぐかのようなトランプ大統領の異様な言動

トランプ,ラストバタリオン
さて、かつてアドルフ・ヒトラーが予言あるいは目指していたような現在の世界を根底から混乱させるために、現時点で最も効果的な方策は何かと考えれば、真っ先に思いつくのは2016年段階で言えば目前で大々的に展開する合衆国大統領選挙に介入し、自らのエージェントを合衆国のトップに送り込んでアメリカを中枢から覆すことであったのではないでしょうか。
これまでの普通の合衆国大統領選挙は、エスタブリッシュメントから本命・対抗が選ばれて、選挙戦も大枠は筋書通りに展開し、新大統領選出後も約束された未来が淡々と展開するパターンで来たわけですが、今回は大幅に様相が違っていた印象が強いと言えるでしょう。
すなわち今回の大統領選挙では選挙期間中に、効果的な場面の最も的確なタイミングで、クリントン候補の私用メール問題が取り沙汰され、大統領選挙の結果に大きく影響を与えたことは間違いないところです。特に最終盤でトランプ氏の女性スキャンダルに対抗するかのように、投票ギリギリのタイミングでまたもやクリントン氏の私用メール問題が再燃し、有権者の投票行動に微妙な影響を与えたように想定されます。

そう考えると誰もが思いつくロシア=プーチン氏が合衆国大統領選挙に介入したという表面的な事象もさることながら、ここは事態の真相に近づくためにより深読みして世界に潜伏するヒトラーのラストバタリオンが「かつてアドルフ・ヒトラーが政権を獲得し、独裁者の地位を確立した過程通りに、100%民主的な手続き」を踏襲して、遂に合衆国大統領のポジションにエージェントを送り込み、世界のどこかに潜伏してきたナチス復活の最終局面としてアメリカを中枢から破壊する、という戦術に出た来たと考えるのもあながち不合理ではないかもしれません。

特に、南北戦争以来くすぶってきた南北の分断の古傷すら、こじ開けようとするかのような、トランプ大統領のシャーロッツビル事件への対応などは、アメリカの成り立ちや市民意識の根幹を敢えて揺るがそうと、混乱を煽っている節も見え隠れしています。

そういう方向性からトランプ政権の異常性を子細に検討していけば、モラー特別捜査官の捜査対象も自然とロシアンゲートなどという皮相的で大して世界情勢に影響を与えていない事案ではなく、より複雑怪奇で深刻なラストバタリオンゲートとでもいうべき、第二次世界大戦終末期の混乱状況の中でうやむやになってきた、UFOの起源の問題やリチャード・バード将軍が指揮を執った戦後直ぐのハイジャンプ作戦において怪情報が流れた南極地下基地問題、あるいは一部のUボートとともに忽然と数万人の単位で消息不明となったと言われるドイツの最高レベルの科学者や影武者を替え玉として失踪したナチス高官の問題等の真相とトランプ政権の真の政策目標との関連という重大問題の解明にある、ということになるのではないでしょうか。

尚、本稿で取り上げたトランプ大統領=ラストバタリオン説の延長線上でトランプ勝利の要因とバノン氏の関係を分析した以下のリンクもご参照ください。

トランプは米中冷戦や強硬な移民政策を強行しつつ大統領再選に向け人民独裁的手法のバノン主義=アメリカファースト路線を堅持する!

トランプ大統領は米中冷戦、西側同盟解体=バノン主義=アメリカファースト路線と毛沢東的な人民独裁手法で大統領再選を目指す!