対米従属

トランプ大統領ファーストでアメリカの属国のような日本の現状と自民党政権の限界!

安倍晋三首相は遂に自民党総裁選に三選され史上最長の9年間の任期満了に向けて始動しましたが、総裁選での候補者討論会での安倍氏の受け答えを子細に観察した範囲では、かなり精神的肉体的に疲労困憊の様子で日本再生に向けた長期戦略を打ち立てられるような政権運営は期待出来そうにないようです。
一枚岩を誇っていたはずのトランプ大統領からも、安倍首相はいつも会ったときにニコニコしているが、あれはアメリカを何年間も出し抜いてきたことを確認する優越感に浸っているのだ、と皮肉られる始末で、挙げ句の果ては中国と同列に敵対的関税の除外対象から外され当にはしごを外さつつあるようですが、近いうちに対米黒字第三位の日本も中国やドイツと同様にトランプ政権から標的として狙われることを覚悟すべき段階に差し掛かりつつあるようです。
なりふり構わぬ対米従属・朝貢外交の果てがこれでは安倍首相や対米従属路線も浮かばれませんね。

1.トランプ大統領が一転して安倍首相を熱烈歓迎した理由
1)合衆国大統領選挙中のトランプ氏の対日強硬発言リスト
2)トランプ大統領の安倍首相、自民党政権の外交能力、及び日本の抜け目なさへの評価
3)イギリス、カナダの両国首相の訪米を大幅に上回る安倍日本首相への熱烈歓迎ぶり
4)安倍首相の対米従属,朝貢外交と東アジアの冊封体制の根本的相違

1.トランプ大統領が一転して安倍首相を熱烈歓迎した理由

1)合衆国大統領選挙中のトランプ氏の対日強硬発言リスト

日米経済摩擦
トランプ大統領は、大統領選挙中には日本を標的?にするような以下をはじめとする数々の批判的あるいは挑発的な発言を繰り返してきました。
「アメリカには、もはや世界の警察官をやっている余裕はない。実際のところ核兵器は世界に拡散しているのだが、北朝鮮も開発済と考えるべきだろう。アメリカが世界の警察官をやめたときに、日本は北朝鮮から自分を守る方法はあるのか?そう考えてみれば、日本が核兵器を持つのも理にかなっているのではないか?それがアメリカにとってそんなに悪いことなのか?」(2016年3月ニューヨーク・タイムズ)
「日本からは、アメリカにトヨタやホンダなどの何百万台ものクルマを送り出してくるが、日本はアメリカから全くクルマを受け取ろうとしない。同じように日本はアメリカの牛肉も受け取らなくなってしまった。これはアメリカにとっては、とんでもない貿易のアンバランスだ。そんな状態でもアメリカは引き続き日本の安全を守っているが、そのうち日本防衛を打ち切ることも考えるべきではないか?アメリカ軍は日本を守っているのだから、日本は在日米軍の駐留経費を100%払うのが当然だ」(2016年5月ワシントン演説)
「アメリカは、日本と日米安保条約を結んでいるが、それによると、もし日本がどこかから攻撃されれば、アメリカは第三次世界大戦に巻き込まれるのを覚悟してアメリカ軍が反撃しなければならない。ところが、日本はアメリカが攻撃されても、居間でくつろぎながら、のんびりと日本製のテレビを観ているばかりだ」(2016年8月アイオワ州演説)
これらの発言は、これまでの主流の合衆国大統領候補からは絶対に聞くことのできない発言だとは思われますが、一般のアメリカ人の声を代弁しているようでもあり、まあ普通のテーブルトークとしては満更あり得ない発言でもないでしょうか。
さらに大統領就任後も日本が中国と同様に為替を操作して不当に円安に誘導して、日本製品の売り込みを図っているというような発言もありました(2017年1月アメリカ製薬業界との会合)

2)トランプ大統領の安倍首相、自民党政権の外交能力、及び日本の抜け目なさへの評価

ケネディ大使
とはいえトランプ大統領は、安倍首相や自民党政権の外交能力や抜け目なさを警戒し、ある意味では評価するような以下のような発言も繰り出してきました。
「安倍首相は、私もこれまでに一度会ったことがあるが、確かに非常に賢い人物だと思う。そういう賢い連中と対峙し、交渉し、利益を持ち帰らなければならない駐日大使のポジションは極めて重要なことは言うまでもないだろう。駐日大使のポジションには、マフィアの殺しのプロのような賢い人物が相応しいが、ケネディ大使では日本に利益を全て持っていかれるばかりだ。そういう意味で、アメリカは本来駐日大使にすべき人物を使ったことは一度もない」(2016年8月アラバマ州モービル演説)

さらに多少古くなりますが、以下のようなコメントもありました。
「日本では一番優れた研究者に民生品である自動車やTVビデオ関連機器を作らせ、アメリカでは最も優れた研究者に兵器を作らせて日本を防衛している。にもかかわらずアメリカはなぜ日本のために支払ったミサイル関係の研究費用の補償がないのだろう? また日本はアメリカを何重にも食い物にしていないか?日本人はまずアメリカ人にモノを売って資本を稼ぎ、そのカネを使って不動産に投資しマンハッタンを全て買ってしまおうとする。どっちに転んでもアメリカは負けるだろう」(1990年プレイボーイ誌インタビュー)

こうしてみるとトランプ大統領にとっては、日本は煮ても焼いても食えない容易ならざる油断出来ない交渉相手だ、と受け止められていたようです。

3)イギリス、カナダの両国首相の訪米を大幅に上回る安倍日本首相への熱烈歓迎ぶり

トルドー・トランプ会談
翻って今回の安倍首相の訪米に対するトランプ大統領の異様とも言える熱烈歓迎ぶりは、事前の予想を裏切る驚くべきものであった、と言えるのではないでしょうか。
安倍首相の訪米と前後して行われたイギリスのメイ首相及びカナダのトルドー首相の訪米及びトランプ大統領との会談は、あくまでも事務的なものであったと言えるでしょう。少なくとも両首相ともにホワイトハウスでの首脳会談と記者会見は行われたものの、その後フロリダの別荘に移動して終日?ゴルフ三昧で過したのちに、盛大な晩餐会を開催するというような熱烈な歓待を受けた、とは言えないのではないでしょうか。
まるで王侯貴族を遇するようなもてなしには、かつての敵対的ともいえるような対日発言の数々が、突然に夢幻と化したような印象すら覚えたのは私だけではないでしょう。
日本は、確かに世界第三位の経済大国ではあり、アメリカの有力な同盟国ではありますが、それだけではイギリスやカナダの首相とのもてなしレベルの落差?を説明することは難しいと思われます。
ともかくトランプ大統領としては、自らの信念と選挙公約に基づく政策の遂行に一切異議を差し挟んでこない、有力で独立した同盟国の指導者に対して、最大限の熱烈歓迎の意志表示を行い、国際的な孤立や国内世論の反発に対して一矢を報いようと言う意向もあったのかもしれません。

4)安倍首相の対米従属,朝貢外交と東アジアの冊封体制の根本的相違

朝貢外交
あるいは、国務省あるいはその周辺の日本関連の専門家筋(いわゆるジャパンハンドラー)から、「日本はアメリカの一部のようなものですから、彼らとのディール=取引をあまり強硬に進めるのは得策ではないですよ。対日交渉では企業同士の取引(ディール)で多少損をしても、日本国政府を揺さぶって政策面から、まさに朝貢のような格好で莫大な利益を得た方が賢いですよ」というようなブリーフィングを受けたとも考えられるでしょうか。
このことを裏書きするように今回の日米首脳会談では、上記の延長線上とも言うべき「日米成長雇用イニシアチブ」なるものが日本側から提示され、日本とアメリカがインフラ投資において連携して、アメリカで約七十万人の雇用と約五十兆円(4500億ドル)規模の市場を生み出すことを目指しているようです。この中身としては、「米国内での世界最先端のインフラ実現」「世界のインフラ需要の開拓」「ロボット・人工知能(AI)の共同研究」「サイバー・宇宙における共同対処」「雇用と防衛のための対外経済政策連携」-の五本柱と言われています。
これだけの貢ぎものを持ち込んだ朝貢使節団に対しては、流石にトランプ大統領も日頃の強硬な主張をすぐさま引っ込め、自分の巨大なる交渉力に酔いしれていた、ということになりましょうか。

同じ第二次世界大戦の敗戦国ながら、ドイツのメルケル首相は、トランプ大統領からプーチン氏と同列に論じられ、「両者を最初は信頼するところからはじめるが、当面は様子見だ。その後はどうなるかわからない。信頼がいつまで続くかはまだわからない」、と言うように真剣に警戒されています。メルケル首相が、かのアドルフ・ヒトラーが武力で成し遂げられなかった欧州征服をいつの間にやら成立させた強力な指導者であり、プーチン並みの危険な欧州支配者扱いされている?状況とあたふたと貢ぎ物付きで訪米した、朝貢使節団団長のような安倍首相の落差には、国威発揚という視点を外して考えても非常に残念な思いを禁じ得ません。

ちなみに、かつて中華帝国周辺で行われていた朝貢では、朝貢を受ける中華帝国側は貢ぎ物の何倍あるいは何十倍もの宝物を朝貢国に下賜したと言われていますが、今回の安倍首相が受け取ったのは「尖閣諸島への日米安全保障条約第五条の適用の明言」くらいで、他には「日銀の異次元レベルの金融緩和の副作用?としての結果的に円安誘導的な為替操作問題や安価な生産コストのメキシコ工場からアメリカ市場への洪水のような輸出の問題」があえて取り上げられなかった、ことくらいでしょうか。
これでは、日米の関係は朝貢する側に莫大な利益があったかつての東アジアの冊封体制とは、似ても似つかないながら貢ぎ物を持っていくところだけは酷似している状況であり、本来は到底長続きしないような代物である気もする今日この頃です。

本件に関連する日本の対米従属、朝貢外交の淵源を黒船来航と太平洋戦争惨敗の見地からの分析もご参照ください。

トランプ大統領ファーストでアメリカの属国たる日本の現状を分析する!

トランプ大統領ファーストでアメリカの属国と化した日本の現状は日米地位協定に明記されている!

トランプ大統領べったりでアメリカの属国もどきの日本の現状から脱するための具体的な方策を探る!

トランプ大統領ファーストでアメリカの属国と化した日本の現状は日米地位協定に明記されている!

幕末の不平等条約は明治新政府の懸命な努力と国民の臥薪嘗胆の上に築かれた国力の充実の賜物として何とか平等互恵な形に改正に漕ぎ着けましたが、戦後の日本の真の国際的な地位は果たして日米地位協定に明記された不平等条約的な状況の中でどのように位置づけられるのでしょうか?

1.戦前の一等国と戦後の西側先進国の一員としての日本の立場の相違
2.太平洋戦争敗退と対米従属方針の集大成としての日米地位協定の中身
3.対米従属方針から逃れられない日本とトランプ大統領の論理の相克
4.西側先進国の中でも特異な安倍首相のトランプ大統領への追従ぶり

1.戦前の一等国と戦後の西側先進国の一員としての日本の立場の相違

大正デモクラシー
日清日露戦争に勝利し、第一次世界大戦にも英米側について漁夫の利を得た戦前の絶頂期ともいうべき大正時代の日本は、大正デモクラシーが咲き乱れ、自由と繁栄の中で「一等国」の地位を得ていたということになっています。
当時の日本は、明確な国家戦略やグランドデザインを持ち、超大国にも政治的駆け引きの帰結とはいえ、いわゆる「NOと言える立場」を貫くことが出来ていたのではないか、と考えられます。
大国間のパワーバランスの中で一定の制約は受けながらも、当時の日本は自ら国策を自ら決定する真の意味での独立国であり、取り敢えず極東に勃興した新興大国としての地歩は確保していた、と言えるでしょう。

しかるに、今日の日本の立場はどのように評価出来るでしょうか?
まず明確な国家戦略やグランドデザインがあるのか、ということですが、これについてはどう贔屓目に見ても、「ほとんど無いに等しい」と言わざるを得ないでしょう。
先般の安保法制の整備もどちらかと言えば、アメリカの世界戦略の補完的役割の第一歩を踏み出したレベルでしかないような代物ではないでしょうか。
確かに現代の日本は内政面では、他国のあからさまな干渉は受けていないようにも感じられますが、外交・防衛あるいは独自の国家戦略や国策が戦前と同レベルで機能しているかと言えば、ほとんど皆無と言わざるを得ないでしょう。
すなわち、日本の外交・防衛というような国策の基本となる国家意思決定機構は、事実上アメリカの東アジア戦略や外交・防衛戦略に忠実に追随するだけ、という状況でしょう。

このように考えると太平洋戦争の敗北により、日本はアメリカの一部として国家戦略や外交・防衛に関与しない地方自治体のような存在に失墜したと言えるのではないでしょうか。
日本がアメリカの一部で、ほとんど日本を地方自治体のようにアメリカが認識しているという問題についてですが、2017年の安倍首相の訪米中のフロリダでの晩餐会の最中に北朝鮮がミサイルを発射した直後、安倍首相とともに記者会見に臨んだトランプ大統領は「アメリカは常に100%日本とともにある」というような一言コメントを出しました。この「日本と100%ともにある」という発言は、日本に関する外交・防衛事案を事実上国内問題と認識するような意味合いも込められているのではないか、とも思われ、良い意味でも悪い意味でも衝撃的なコメントであった、というような気もしました。まあそういう受け止めは、少なくともマスメディアの報道からは感じ取れませんでしたが。

中国脅威論者が、「このままでは日本は中国の一省にされてしまう」というような論理を展開していますが、「安心してください。そんなに心配しなくても既に1945年以来、日本はアメリカの一州として存分にやってきていますよ」というのが情けない実態でしょう。

2.太平洋戦争敗退と対米従属方針の集大成としての日米地位協定の中身

米軍基地
ここで日本の対米従属の象徴的な事案について、いくつか列挙してみますと以下のようになるでしょうか。
・日本国憲法=先の大統領選挙の選挙戦の最中に、バイデン副大統領はトランプ大統領の日本の核武装容認発言を受けて、「日本国憲法は、日本に核武装させないためにアメリカが書いたものである」という趣旨の発言を行い物議を醸した。
・日米安保条約=アメリカ軍が、防衛力の整備されていない日本への駐留を可能にする条約で、「アメリカ軍は日本において望む期間、望む場所に、望む数の兵力を展開する権利」を確保したもの。
・日米地位協定=日米安保条約に基づき日本に存在するアメリカ軍基地や駐留するアメリカ軍に関する地位を規定する協定であり、アメリカ軍はほぼ外交特権並みの治外法権を確保している。
このうち、日米地位協定は特にその不平等性が問題視されており、見方によればかつての幕末の不平等条約の再来のような印象すらもたらす部分もあるような気がしています。
すなわち、治外法権という見地から見て、「アメリカ軍人に関する裁判権」「アメリカ軍基地の原状回復義務の曖昧さ」「アメリカ軍人の特権的地位」というあたりにアメリカ軍に特殊な扱いが結実していると言わざるを得ないでしょう。
上記の「裁判権」に関しては、「実質的に重要な事案についてのみ裁判権を行使するものとし、それ以外あるいは日本有事の際には裁判権を行使しない」との密約が、日米合同委員会で取り決められていたことがアメリカの公文書公開により明らかになっています。
また「基地の原状回復義務」に関しては、日本側に基地施設を返還する場合に原状回復を行う必要がないので、アメリカ国内では問題になる土壌汚染対策や除染といった作業が、日本国内の基地返還ではアメリカ側が特に対応しなくてもよいことになっているようです。
さらに「アメリカ軍人」は、パスポートが不要であり、日本滞在中も外国人登録の必要がなく、日本政府の出入国管理の対象外となっている。またアメリカ軍の車両は、軍関係の任務であるとの証明があれば、高速道路が無料で使用でき、自動車の保管場所についても基地内を指定すれば車庫証明の取得の必要もない、というような特別待遇がまかり通っている状況です。

このように現代の日本では明治の先人たちが苦心惨憺の上に勝ち取った不平等条約の亡霊が、アメリカ軍という存在の中に蘇って厳然と息づいている、というのが実態となっているのです。
尚、イラン・イスラム革命を指導したホメイニ師がパーレビ国王の政治姿勢について批判した最大の眼目は、イランにアメリカ軍事顧問団が駐留するにあたって締結することとなった地位協定があまりにも屈辱的で、到底容認出来なかったので、ムスリムの同胞に大規模なデモを呼び掛けたことだった、とも言われています。

ちなみに、1960年の現行の日米安保条約の国会での承認・批准を巡って、あの日本史上でも空前の混乱となった安保闘争が発生し、安倍首相の祖父にあたる岸信介首相が同条約批准と同時に下野することとなったのは周知のとおりです。この岸信介元首相は戦前は満州帝国の建設に辣腕を振るい、内地に戻ってからも商工行政を牛耳る実力者であったわけですが、A級戦犯として服役した巣鴨プリズン以降は、いつのまにか対米従属方針の権化に転向してアメリカの後ろ盾の下に首相にまで昇りつめ、政界の表舞台から退いたのちは政財界の黒幕として暗躍した、と言われています。

3.対米従属方針から逃れられない日本とトランプ大統領の論理の相克

岸・アイゼンハワー
さて、太平洋戦争の大敗と越えられない大きな壁としてのアメリカの強い圧力のもとに、外交・防衛戦略をアメリカに丸投げする形で従属し、アメリカの庇護の下で地方自治体のような特殊国家として生き延びてきた日本にとって、新たな黒船のような存在としてトランプ大統領が立ち現れてきました。

トランプ大統領が、なぜ新たな黒船になりうるかというと、彼の政策がこれまでのアメリカの伝統的な戦略から大きく逸脱する「普通の国」の「普通の戦略」だから、ということになるでしょうか。
つまり、アメリカは「世界の警察官」であり、世界の平和と安定に貢献するために、「経済をグローバル化し、移民に門戸を開放し、紛争地域に軍隊を派遣してでも秩序を守るべく努力する」といった奇特で理想主義的な国際貢献国家の立場を放棄し、アメリカファーストを実践し、自国民の利益を最大限最優先する、という政策転換が行われた、ということになりましょうか。

このような事態の中では、日本のようにいたずらに対米従属姿勢を数十年間も続けて、自分の意志を持たない操り人形のような国家は、かえって足手まといとなり、「もうアメリカは日本の主人ではないのだから勝手にやってくれ、その代わりにアメリカも自国の都合重視の姿勢でやらせてもらうぞ」という立場を鮮明に打ち出してくるということになるのでしょう。

4.西側先進国の中でも特異な安倍首相のトランプ大統領への追従ぶり

メルケル
トランプ政権に対しては、これまでのところヨーロッパの西側同盟国の首脳からも一様にトランプ氏の特に移民政策や保護主義的な政策に関しては、反対の意向が表明されており、中国の習近平氏ですらダボス会議の基調講演において、トランプ氏の「反グローバル化志向や保護主義的な姿勢」に批判を表明したわけですが、日本の政府首脳からは全くトランプ大統領の意向に逆らうような見解は聞こえてきません。

この2017年2月には、安倍首相がアメリカを訪問しトランプ大統領と会談し、その旅程の中にはトランプ大統領とのゴルフも含まれていました。
先日イギリスのメイ首相がホワイトハウスを訪問した時も、かなり愛想を振りまいていましたが、渡り廊下を二人で歩いている時に階段で手を取り合うシーンが映像に流れ、メイ首相がかなり揶揄された(ブレア首相のようにアメリカ大統領のプードルになりかねない?)部分もありましたが、その後メイ首相はトランプ大統領の移民政策に関してはイギリス議会で明確に批判の言葉を口にする、という矜持を示しました。
また安倍首相訪米後にトランプ大統領と会談したカナダのトルドー首相は、トランプ大統領との記者会見でアメリカの移民政策を含む内政に干渉することはしないと強調しながらも、カナダの移民への寛容政策や多様な文化を尊重することを明言していました。

そういう中で、今後の流れとして安倍首相が西側先進国の中で唯一のトランプ大統領の飼い犬にならないように願うばかりです。
ブレア・ブッシュ
逆にトランプ大統領は安易な対米従属は逆に許してくれないような気もするので、アメリカに突き放された日本が独り立ちして、まともに外交・防衛戦略や国家のグランドデザインを取り戻せるのか、少し心配な気もします。
そういう意味では、トランプ政権の誕生によって、日本側にも長すぎた戦後を一刻も早く清算し、対米従属姿勢を一掃し、遅すぎた完全独立を果たすべく、立ち上がる好機がようやく訪れた、ということになるのかも知れません。

尚、既に安倍首相は三月中旬にドイツ、フランスを訪問し、トランプ新政権の新たな政策の方向性をメルケル首相らに伝えつつ、メルケル首相からはトランプ大統領への懸念を聞き取って伝言する、というようなメッセンジャーあるいはパイプ役を自ら買って出る方向で国会でも答弁し、具体的に動き出しました。
これではまるで、かつてTPP推進時にはオバマ前大統領のお先棒を担いで、日本の21世紀の成長戦略と中国封じ込め戦略の根幹はTPPにあるかのような立場だった安倍首相が、目にもとまらぬ驚くべき変わり身の早さで、今度はトランプ大統領のメッセンジャー兼唯一無二のゴルフパートナーに変身してしまった印象もある今日この頃です。

伝書バト

尚、本稿の延長線上で日本の対米従属、朝貢外交の淵源を黒船来航と太平洋戦争惨敗の見地からの分析もご参照ください。

トランプ大統領ファーストでアメリカの属国たる日本の現状を分析する!

トランプ大統領ファーストでアメリカの属国のような日本の現状と自民党政権の限界!

トランプ大統領べったりでアメリカの属国もどきの日本の現状から脱するための具体的な方策を探る!

トランプ大統領べったりでアメリカの属国もどきの日本の現状から脱するための具体的な方策を探る!

井伊直弼

小栗忠順

自主独立の精神を欠きアメリカ帝国内での安寧ファーストで対米従属最優先のドナルド・シンぞー関係から脱却するための日本における愛国的真正保守の論理を探る。

1.トランプ政権誕生の意義
2.日本の保守政治家の朝貢的対米従属傾向
3.日本独自の国家戦略に基づく日本のためのグランドデザイン確立の必要性
4.安倍政権の前倒し解散と小池都知事,前原代表による民進党解体,希望の党創設を巡る国辱的ドタバタ劇
5.小池都知事の希望の党が惨敗した要因の分析
6.日本型リベラルの再生としての立憲民主党の可能性
7.政治面における国民意識に訴える自主自立的な誇り高いトリクルダウンの必要性

1.トランプ政権誕生の意義

2016年のイギリスのEU離脱から始まり、特にその後のトランプ政権の成立により、世界は一変してしまった印象があります。
トランプ政権の特徴の一つは、大統領選挙の時点から顕著になっていましたが、既存の巨大メディアやマスコミとの世界認識の対立にあり、マスコミを介さないSNSを中心とするインターネットを活用した市民への直接の働きかけにある、とも言えましょうか。
またトランプ大統領の口癖に「フェイクニュース」という用語法がありますが、まさに事実と真実の見分けは困難であり、昔から「本当の真実は大衆から隠されてきた」という印象が、常に市民の側には内在していたことは間違いありません。ともかく、トランプ氏という全くのアウトサイダーがホワイトハウスという権力の中枢に座ることで、爽快感を感じたり痛快な思いをする市民が、アメリカに数多く存在することは紛れもない事実でしょう。

バノン氏

そのあたりの感覚は実際のところ私自身も共有しており、オバマ氏からトランプ氏に政権が移行して、かつてない面白い時代が到来したことを、非常に強く実感しているいるところです。
ちなみに、トランプ大統領の選挙戦でのアメリカ市民への直接の語り掛けの基調となる部分に多大な影響を与えたとされるバノン首席戦略官に至っては、レーニンを真面目に崇拝するアナキストである、との論評すらあります。これなどはトランプ政権の特殊性が、かなり異様なレベルであることの例証として十分でしょう。

アメリカで起こったことは、その後何年かすると日本にも似たような形で反映するケースがありますが、今後近い将来に橋下氏や小池都知事の活躍以上に衝撃的で日本の現在及び将来に影響を及ぼすような政治的な事件の到来が、間近に迫りつつあることを予感する今日この頃とも言えましょうか。
ヤルタ会談

2.日本の保守政治家の朝貢的対米従属傾向

私個人としては、トランプ大統領の出現に合わせて、日本もいい加減に対米従属の朝貢姿勢を改め、アジアに対しても世界に対しても、戦略的でより主体的な責任感のある立場と行動が要請されてきているのではないか、と痛感しているところです。
オバマ大統領時代までは、対米自立政策を積極的に推進すると田中角栄氏のように徹底的に狙い撃ちされて天寿を全う出来ず、対米従属の朝貢外交姿勢を徹底して貫けば岸信介氏のように現役時代は首相をつとめ引退後も政界の黒幕として長らく安泰である、というのが戦後の日本の政治家にとっての宿命のように位置づけられてきました。

しかるに、どうやらトランプ大統領は、日本の政治家が対米自立路線を突っ走っても、それほど大きな問題にしないような、これまでのアメリカの対日戦略の枠組みを超える柔軟で画期的な指導者である、というイメージがあります。
このことは、戦後長らく対米従属を基本とする朝貢外交を国家戦略の根幹とせざるを得なかった日本にとって、千載一遇の好機が巡ってきた、とも考えられます。

まさにこの好機にいたずらに、これまでの対米従属、朝貢外交姿勢一辺倒の政治方針から一歩も脱却出来ないのは、非常にもったいない行き方ではないでしょうか。

無条件降伏

3.日本独自の国家戦略に基づく日本のためのグランドデザイン確立の必要性

かつて戦前の日本は、大東亜共栄圏構想なる国家戦略を持ち、曲がりなりにも極東における新秩序構築を目指していたことがありましたが、戦後は一転して戦略なき国家に墜して長らく過ごしてきました。

一方、第二次世界大戦敗戦直後に日本とほぼ同様な境遇から出発したドイツは、史上初の欧州葬で追悼されることになったドイツ統一の父であるヘルムート・コール元首相やその愛弟子とも言われるアンゲラ・メルケル首相の指導下で、いつの間にか、EUの実質的な盟主となり、アドルフ・ヒトラーが構想していた欧州制覇を、軍事力よりも実は有効で、長期的な展望が可能な政治力・経済力を駆使して今まさに実現しつつあるところです。さらにもう一歩進めて中東からの難民殺到という現実を観れば、イスラム圏の一部もドイツ第四帝国に組み込みつつある現状かも知れません。
ヒトラー

翻って日本の極東における現状は、日中、日韓、日朝のいずれの関係を観ても、正常に進展している感じもなく、日本が極東の盟主だとは、誰も考えていない、と言わざるを得ないでしょう。

このあたりの日本の将来展望の不透明さに一石を投じ、新たなる戦略で国家のグランドデザインを描き、真の意味で未来に期待とワクワク感の持てるような構想を確立していく必要性を痛感しているところです。

4.安倍政権の前倒し解散と小池都知事,前原代表による民進党解体,希望の党創設を巡る国辱的ドタバタ劇

ちなみに、2017年7月2日の都議選で国政レベルの選挙戦では第二次安倍政権下では初めて大敗した安倍首相は、2017年10月10日に衆議院選挙を行うべく解散を断行しました。当初は、安倍首相が前倒し総選挙で大敗したイギリスのメイ首相の二の舞を舞うであろうと観察していたのですが、野党側のドタバタ劇は安倍首相側の混乱を遥かに上回り、大方の予想を超える選挙戦の様相を呈しました。
都議選大敗安倍首相

すなわち、2017年9月1日に蓮舫代表の勇退に伴う党首選挙を行った民進党は、枝野幸雄を破った前原誠司を新代表に選んだものの、その前原が新代表になったのも束の間の出来事で、突然小池都知事が急遽総選挙向けに立ち上げた希望の党に合流することを決断したのです。
その後、希望の党が民進党の議員全てを受け入れるわけではないことが判明し、リベラル的な世論の受け皿が消滅することを憂いた枝野幸雄を中心とした民進党の一部議員は2017年10月2日に立憲民主党を創設し、民進党は完全な分裂に追い込まれました。
この一連の動きは、安倍政権にとって素直に喜べる追い風とは言えないでしょうが、新党首を迎えて清新な気風で人心一新し、安倍政権に対峙するはずだった民進党がいきなり消滅するという、驚くべき展開でもあり以前から指摘されていた前原誠司の頼りなさが、安倍長期政権を打倒出来るかどうかの瀬戸際でまたもや遺憾なく発揮された、とでもいうべき状況となりました。
それにしても、2017年10月22日の総選挙にもし希望の党が勝利しても、党首である小池都知事は立候補していないため首相にはなれないので、安倍政権の本格的な受け皿にはなりえない形勢であり、希望の党も過半数が取れないであろうことを前提とし、安倍政権あるいは自民党の過半数維持の当面の継続を予想した選挙戦を展開している状況で、政権選択を公言しながら非常に中途半端な選挙となってしまいました。
希望の党小池都知事

5.小池都知事の希望の党が惨敗した要因の分析

もし希望の党が過半数を制したら、小池都知事はミャンマーのアウンサンスーチー女史のように、首相にはならないものの国家顧問的な立場で、国政を指導するということになりかねませんが、西側先進国でそのようなドタバタ劇を演じている国をあまり見かけないだけに、当面の政権運営だけでなく、日本の立場や国際的な地位に影響を与えかねないと心配していました。

結局、小池都知事の思惑は脆くも外れ、民進党の当選目当ての野合政治家たちを吸収した希望の党は惨敗し、私利私欲にまみれた自分ファーストの醜態有り様を見せつけられた市民の側から完全にノーサインを突き付けられる結果になりました。
安倍首相を早期の解散に走らせたのは、そもそも小池都知事が都議選で圧勝し、その余勢を駆って国政に進出する準備を整える前に、何とか民意?を反映した多数を確保して、政権の延命を図ろうとした愚挙だったわけですが、今回は小池都知事がいろいろな政治的失策を重ねたおかげで、自民党は嬉しい誤算とでもいうべき大勝を手にしました。
「神は細部に宿る」とも言いますが、日本の政治状況がこれほど繊細なバランスの上に築かれているとは、不覚にも思っていなかったので、今回の政界のドタバタ劇や小池都知事の失墜ぶりは、まさに他山の石として素晴らしい教訓を提供してくれたもの、と感謝しています。
小池都知事の敗因は、単に旧民進党のリベラルな議員への「排除いたします」「選別する」「全員受け入れる気はさらさらない」と言った一連の発言がマスコミで過剰に取り上げられただけではなく、やはり「自らがリスクを取り衆議院に鞍替えし、首班指名を安倍首相を競う姿勢を見せず、逃げ腰だったこと」「実際問題としてリセットを強調しながら、安保法制や憲法問題等をはじめとして安倍政権との政策の違いがはっきりしなかったこと」「舛添前都知事が引っかかったような狭量でセコイと評されかねない、政策協定書の原案が独り歩きしたこと」などが挙げられるでしょう。

さらに本来希望の党が切り崩す対象は、政策や思想が真逆である民進党ではなく、自民党のハズであり、結局安倍首相が押さえ込んでいる自民党でも右寄りの線に限りなく近い小池都知事が整合性のある政界再編を目指すのは、現時点ではかなり厳しかったというべきでしょうか。
民進党が離党者続出の中で崩壊しかけており、前原誠司と言う党首が頼りなくて、騙しやすいから手を突っ込んでヒトもカネも乗っ取る、というのでは流石に21世紀を迎えて、かつての道徳意識を喪失しつつある日本社会も受け入れることは出来なかった、というのが小池都知事の政権戦略の最大の失敗要因となりましょうか。

アウンサンスーチー

6.日本型リベラルの再生としての立憲民主党の可能性

どうせなら、社会党崩壊で雲散霧消し、まとまった政治勢力としての受け皿を欠いている日本の健全なリベラルな民心の代弁者として、立憲民主党がかつての社会党並みにパワーを取り戻し、自民党のリベラル勢力も吸収して、200議席を超えるような政治状況になれば、日本の二大政党制もかなり安定するような気もする今日この頃です。
立憲民主党枝野

どちらかというと、この日本におけるリベラルな方向性の政治勢力は、これまでも自民党やその延長線上にある保守政治家の対米従属姿勢とは一線を画する政治姿勢を示しており、日本ファーストな健全な愛国思想を発揮してきているような印象もあるので、社会党の事実上の消滅以来自民党を中心とする保守勢力が壟断し、対米従属の朝貢姿勢で政治的な暴走を繰り返す日本の政治状況を日本の市民に取り戻す第一歩になるのではないか、と期待しているというところでしょうか。
小林よしのり,山尾しおり

ちなみに、これまではいわゆる保守の論客として、左翼的立場の政治勢力と論戦することが多かったあの小林よしのり氏が、多くの政策課題における方針を確認した上で、方向性の近さから、今回はハッキリと立憲民主党支持を打ち出したのは印象的でした。
不倫問題を抱えながらも、逆境の中で当選を果たした山尾しおりも含めて、いわゆる健全なリベラルと真性の保守との政治路線の近さが、日本でもようやく小林よしのりをはじめとする影響力のある論客の間で確認されつつある、ということでしょうか。

ともかく、トランプ政権に対抗するアメリカのリベラルのパワーは、多少ねじれ感もありますが、日本では有り得ないものであり、明日の日本の政治のあるべき姿の一つになりそうな気もします。

帰ってきたヒトラー

これなどは、「帰ってきたヒトラー」で蘇ったアドルフ・ヒトラーが現代ドイツの保守政治家の政治姿勢に共感せず、却ってドイツの国土を守り真の市民ファーストを貫く「緑の党」に連帯する心境を抱くのに共通するところもあるのかもしれませんが・・・

7.政治面における国民意識に訴える自主自立的な誇り高いトリクルダウンの必要性

米軍オスプレイ
本来、当面選挙で問うべきは、対米従属朝貢路線の堅持か、治外法権的な日米地位協定見直しをはじめとする対米従属的な立場の見直しによる健全な国家意識の再生か、というあたりにあるような気もするところです。

2017月10月の総選挙では、自公政権側与党は事前の予想通り得票を伸ばして過半数を超え、総議席数の2/3を超える勢いで、維新や希望も含めると改憲勢力は全議席の70%程度を占有する勢いとなってきました。とはいえ、憲法改正反対を党是として結成された立憲民主党も躍進したため、安倍首相も性急で強引な改憲に向けた動きは当面自粛しつつ、慎重に世論の動向を見極めながら安保法制を強行したように機を観て一気に攻勢に出てくるのではないでしょうか。

ともかく、学園スキャンダルに端を発し、安倍首相に解散を決断させ、自民党政権の屋台骨を揺るがすかに観られた日本の政局の混乱要素は、結果的に民進党解体、自公政権与党の優位の確立、改憲勢力の絶対多数確保という、正に安倍首相が思い描いた構図を遥かに上回るような果実を日本の保守勢力にもたらしたということになりました。

久々に長期政権を維持する安倍首相の政治的才能は、流石に野党の比ではないことが証明された格好ですが、学園スキャンダルで安倍政権に批判的だった世論の動向は伏流水のように行き場なく、さまよい続けている印象も否めません。

その一部の流れを汲み上げたのが、立憲民主党だったわけですが、まだまだ政権交代を実現するようなパワーを確立するには至りませんでした。そういう意味では、今回の総選挙は安倍政権に批判的な世論の機微を十分に吸い上げることが出来ない結果に終わったわけで、大げさに言えば民主主義の危機ともいえるのかもしれません。

そういう意味で、民主党台頭時にも言われた政権交代可能な健全で強力な自民党に対抗する勢力の確立が、日本の民主主義の健全な発展のためには必要不可欠と認識しています。

さらにもう一歩進めて、新自由主義的な立場や鄧小平が改革開放で唱えた先富論でも、いわゆる経済のトリクルダウンが言われ、「フロントランナーがまず目一杯儲ければ、その影響で社会全体にもその豊かさが滴り落ちるように広まっていく?」と言う話がありますが、同様に「政治や国民意識においてもトリクルダウンと言うのがあるのではないか」、と私自身は考えています(ちなみに、日本における新自由主義の旗手であった竹中平蔵氏は、このところの西側先進諸国の社会情勢も踏まえて、経済面でのトリクルダウンの幻想性を指摘しているようですが)。
すなわち、現状の日本社会においては、2017年11月のトランプ大統領訪日で安倍首相が証明したように、政界トップが対米従属の朝貢的な姿勢に凝り固まっているので、その影響が国民意識全体にトリクルダウンして健全で独自の国家戦略や愛国心が育たず、アメリカと完璧に一心同体のあたかもアメリカの51番目の州のような異様な国家体制になっているが、日本でもトップの意思が変化し対米従属の朝貢的姿勢を止めて日米地位協定のような不平等条約を撤廃する方向で動き出し、独自の国家のグランドデザインを描き、アメリカの戦略から自立して自前の戦略を構築出来るようになれば、日本全体の国民意識においても健全でまともな愛国心や国家への誇りがトリクルダウンしてきて、より実り豊かで、世界に貢献出来る誇り高く自信に満ちた日本を取り戻せるのではないか、と考えているところです。

尚、現在の自民党政権の異様な対米従属、朝貢外交姿勢については以下のリンクにて詳しく分析しています。

トランプ大統領ファーストでアメリカの属国のような日本の現状と自民党政権の限界!

トランプ大統領ファーストでアメリカの属国と化した日本の現状は日米地位協定に明記されている!

トランプ大統領ファーストでアメリカの属国たる日本の現状を分析する!

トランプ大統領ファーストでアメリカの属国たる日本の現状を分析する!

森友、加計などの学園スキャンダルや相次ぐ閣僚、議員の失言暴言の嵐の中でも、野党の崩壊で先の総選挙には勝利した安倍首相ですが、アメリカとの親密さは北朝鮮への対応も含めてトランプ大統領から百パーセントともにあるとのコメントが飛び出す状況であり、安倍首相にとってはアメリカ帝国の内懐に抱かれる居心地の良さが際立つようですね。
トランプ大統領からは、真珠湾攻撃の裏切りと背信を忘れない、と警告されていたことも暴露されましたが、今後消費税増税や憲法改正に踏み切れるのでしょうか??

ここではいわゆる保守政治家に共通する対米従属、朝貢外交の起源に迫ってみたいと思います。

ペリー

1.日本の対米従属方針はどこから始まったのか?
1)ペリー来航と黒船の衝撃
2)幕末の不平等条約における治外法権と関税自主権の喪失
2.日中戦争における優勢と太平洋戦争におけるアメリカへの無条件降伏
1)日中戦争における圧倒的に優位な戦局の推移
2)日米開戦に至る経緯
3)緒戦の勝利からアメリカの反撃と最終的な壊滅的大敗
4)アメリカと西側の価値観を受容した日本と拒絶するイラク・中東イスラム圏の相違

1.日本の対米従属方針はどこから始まったのか?

1)ペリー来航と黒船の衝撃

黒船来航

長らく超大国として君臨してきた清朝の安定的統治を根底から揺るがすアヘン戦争が1840年に発生し、極東情勢もようやく風雲急を告げ始めた1853年7月に遂にペリー率いるアメリカ艦隊4隻が東京湾内の浦賀沖に来航し、アメリカ大統領の親書を徳川将軍に手交することを求めてきました。
この時、出現したペリー艦隊の軍艦は、その外見から日本側からは黒船と呼ばれましたが、「アメリカ独立記念日(7月4日)」の祝賀と称して数十発の空砲を発射したり、江戸湾内を測量するために江戸に接近したり、といった効果的な威嚇を行ったため、江戸では庶民から幕府高官に至るまで混乱状態に陥った、と言われています。

ともかく、初めて巨大な戦艦を4隻も見せつけられた、日本人は衝撃を受け、この時の深刻で根源的な衝撃が、突き詰めて言うと幕末の尊王攘夷運動、明治時代の富国強兵、日清日露戦争から日中戦争、太平洋戦争に至る軍国主義にもつながる武力増強、国力強化重視の国策を生んだと言える、ような気もするところです。
ある意味では、黒船の衝撃は、国民共有のトラウマ?となり陰に陽にその後の日本の国策決定に影響を与え、太平洋戦争に敗戦して、その熱から冷めるまで一貫していた脅迫観念となっていたのかも知れません。

ちなみに、江戸幕府のトップは、アヘン戦争の詳細からペリーの来航に至る極東を巡る情勢を、オランダ風説書を中心とした情報源からかなり正確に把握しており、既に黒船来航の約一年前にはオランダ商館長から別段風説書としてペリー来航も予告されており、そこにはアメリカの要求する通商条約に対するオランダ版の対応素案まで提示されていた、と言います。
ともかく、当時の江戸幕府で将軍の下で最高意思決定者であった老中首座の阿部正弘は、それらの情報を踏まえた意思決定を行ってはいた、ということになるようです。

2)幕末の不平等条約における治外法権と関税自主権の喪失

鹿鳴館外交
その後、幕府の弱体化の進行と欧米列強の極東への進出の延長線上の「閉鎖的なアジアの諸帝国への開国の圧力」の流れの中で、いわゆる「安政の五カ国条約」が締結されました。
この条約において特に日本側に不利な不平等条約として問題になるのは、「治外法権と関税自主権の喪失」ということになりましょうか。
このうち、治外法権の喪失については「条約締結国の領事裁判権の確保と条約締結国人の日本での犯罪に法律や裁判が適用除外」ということであり、関税自主権の喪失については「日本側の関税自主権の否定と外国との協定税率の優先」が規定されています。
さらに最恵国待遇の問題もあり、これは日本側に対してだけ最恵国待遇を義務付けており、締結相手国側にはその義務が無いというような規定があったようです。

この幕末に締結された不平等条約は、戊辰戦争で江戸幕府に勝利して明治維新を達成した薩長藩閥を中心とする明治新政府の正統性が諸外国にも承認される中で、明治時代にも引き継がれていきました。
明治新政府は、諸外国に幕末の不平等条約の不当性を訴えたものの、その実態としては不平等条約改正の基準となった「日墺修好通商航海条約」は、明治二年の段階の条約でありながら、幕末の不平等条約では曖昧になっていた諸外国への利権や特権を明確かつ詳細に条約上に規定する内容となっており、条約改正の道のりは厳しいものとなりました。

その後、井上馨を中心とする鹿鳴館外交、伊藤博文を中心とする大日本帝国憲法の発布や日清日露戦争の勝利による諸外国への国力充実のアピールも功を奏し、様々な紆余曲折を経ながらも日露戦争から数年経過した第一次世界戦争前の1911年の段階になって、ようやく関税自主権を認める日米修好航海条約が締結され、それに続いて諸外国との同様な条約が締結されました。
この段階に至り、不平等条約が事実上撤廃され幕末以来の懸案だった「欧米列強と名実ともに?対等な立場を確保」し、国際社会での自由で独立した立場を確立することに成功しました。

2.日中戦争における優勢と太平洋戦争におけるアメリカへの無条件降伏

1)日中戦争における圧倒的に優位な戦局の推移

日中戦争
さて、黒船来航以来の富国強兵の延長線上で、欧米に追い付き追い越すべく武力の強化に注力してきた日本は、日清日露戦争という極東における戦場において勝利し、欧米列強と肩を並べる帝国主義的な大国としての地位を着々と固めていきました。
さらに日本は、1910年の日韓併合の流れの中で、満州から中国大陸への進出を企図し、満州事変による満州帝国の建設や盧溝橋事件を経て、日中全面戦争に至ることとなりました。
日中戦争においては、天津、北京、上海を次々に攻略するなど日本側有利に展開し、南京攻略前に日本側からドイツ大使を介して和平案を提示し、南京攻略前の段階では蒋介石も受諾の方向で検討していたようでしたが、南京攻略後の日本の中国側への要求の増大や傲慢な態度などにより、日中交渉は決裂しました。

2)日米開戦に至る経緯

真珠湾攻撃
戦術的な勝利を続けながらも、南京陥落以降重慶に移駐した蒋介石政権を打倒する戦略的な日中戦争の勝利という出口が見えない状況の中で、日本はどのように事態を打開するかを模索する必要に迫られてきていました。
そういう中で、日本は1940年にドイツ、イタリアと三国同盟を締結し、英米から離反し枢軸側に軸足を移した国策を遂行する方向に動き始めました。
実際のところ日本が戦争継続のための資源の大半を依存するアメリカと距離を置くことになる枢軸側との三国同盟の締結には、日本側にも多くの批判や懸念があったと言いますが、ドイツが欧州の大半を制圧し、特にフランスが短期間で征服され、ヒトラーが早朝のパリを散歩する情勢に至って「バスに乗り遅れるな」というような短絡的な認識が優勢となり、結局は日本は戻れない道を歩み始めることとなったとも言えましょうか。

アメリカは、欧州でのドイツの圧倒的な優勢と孤立するイギリスの狭間に立ち、イギリスを軍事的に支援することはしませんでしたが、極東では三国同盟の一角である日本への経済制裁を強化し、屑鉄の輸出を禁止したのを皮切りに先述の日米修好航海条約が廃棄され、石油の輸出禁止などの日本への制裁が始まりました。
戦争継続能力に問題が生じた日本は、資源確保を目指して仏印進駐を遂行しましたが、これがより一層アメリカを刺激し、対日制裁を強化してきたため、野村駐米大使とハル国務長官の間で日米交渉が行われましたが、紆余曲折の末に交渉が決裂し、最終的には日本軍がハワイの真珠湾を奇襲攻撃して日米の全面戦争に至ることとなりました。

それにしても、アメリカからの資源に頼って戦争していた日本が、その資源の供給先のアメリカを自ら奇襲攻撃してまで戦争を開始する必要があったのかは、はなはだ疑問のあるところでしょうか。

3)緒戦の勝利からアメリカの反撃と最終的な壊滅的大敗

硫黄島の戦い
日本軍は、真珠湾での奇襲攻撃の戦術的な成功以降、基本的にはミッドウェー海戦のあたりまでは超大国アメリカを相手に有利に戦局を展開しましたが、1942年6月のミッドウェー海戦では日本海軍は4隻の空母と重巡洋艦1隻を喪失する大敗を演じました。
その後、1942年8月にアメリカ軍は、日本海軍が飛行場建設をほぼ完成させていたガダルカナル島を占領しましたが、日本海軍としてはこの飛行場を何としても奪還すべく、陸軍に強く要請してアメリカ軍と日本軍との間に壮絶な死闘が繰り広げられていくことになります。
ガダルカナル島を巡っては、こののち三次にわたるソロモン沖海戦やガダルカナル島における消耗戦が半年程度続いたのち、補給線の問題やこれ以上の損害を回避する必要等を勘案して、1943年2月に遂に日本軍はガダルカナル島からの撤退を決断するに至りました。
さらに、1943年4月に山本五十六連合艦隊司令長官が乗っていた航空機がアメリカ軍に撃墜されるという事案が発生しましたが、これはアメリカ軍が日本の暗号を解読し機密情報がほぼ筒抜けになっていたことの証左と想定されます。

こののちの太平洋における戦況は、アメリカ統合参謀本部の立案した、
1.封鎖(油田と戦略拠点の遮断、日本本土への物資輸送の妨害)
2.空爆(日本本土の主要都市への空爆)
3.上陸(日本本土への上陸による地上戦)
という三段階の「対日作戦計画」の戦略に沿うような形で推移してしまいました。

その後、日本軍は各地で補給線を寸断され、車両、航空機、艦艇への燃料の補給が困難になってきていましたが、具体的な戦局ではサイパン陥落(1944年7月)、テニアン陥落、グアム陥落(1944年8月)の一連の戦いによりアメリカ軍が日本本土へB29戦略爆撃機で空爆することが可能になりました。
特にサイパン島陥落は、日本にとっての当該方面での最重要基地の失陥を意味し、この時点で日本軍の反撃の可能性はほとんど無くなったと言って良いでしょう。

東京における政治情勢も、「絶対国防圏」の一環として設定していたサイパン島陥落により、東条英機内閣の崩壊という余波を被ることになりました。

さらに1945年1月にはフィリピン島陥落、1945年3月には硫黄島陥落と続き、制空権の喪失とも相俟って1945年3月の東京大空襲をはじめとする本土空襲の激化、1945年3月~6月の沖縄での地上戦、1945年8月広島・長崎への原爆投下、ソ連参戦と続く一連の敗戦に向けた流れを辿ることとなりました。

この敗戦の帰結は、ルーズベルトがこだわっていた無条件降伏であり、東京、大阪、広島、長崎をはじめとする京都・奈良以外の大半の都市の破壊し尽くされた廃墟の悲惨な姿でした。

その後には、あのカリスマ性に溢れたダグラス・マッカーサー連合国最高司令官とGHQによる占領が数年にわたって続くことになります。
徹底的で壊滅的な大敗と無条件降伏、さらには日本史上他に類例を見出せない外国軍隊による占領という激動は、民族的なトラウマを生み出したとも言えましょうか。

日本、特に自民党政権の対米従属路線の根幹にはこのような長きにわたる歴史的な経緯が横たわっていると言えるのではないでしょうか。

4)アメリカと西側の価値観を受容した日本と拒絶するイラク・中東イスラム圏の相違

ブレマー長官
ちなみに、アメリカによる軍事的な大勝とそれに続く組織的な占領政策の実施、という日本に多少なりとも似通った道程を21世紀になって辿った国にイラクがあります。
恐らくアメリカと戦っている段階では、日本もイラクも反米嫌米感情のレベルは、そんなに遜色なかったのではないか、と思われるほど徹底的なものがあったのではないかと思われます。
さらに、イラクにはGHQと比較されるCPA(連合国暫定当局)という戦後処理の組織が設立され、その代表者にはこれまたダグラス・マッカーサーのポジションと比較されたポール・ブレマーが就任しました。

しかるに、日本とイラクでは占領時代から戦後に至る対米感情や西側民主主義に対する受け入れ度合いは、まさに懸絶していると言わざるを得ません。

この相違を検討してみると、そこには幾つかの理由が浮かび上がってきます。

①日本とイラクに対する「西洋の衝撃」の歴史的文化的な状況の相違
日本が対米従属や西側の価値観を全面的に受け入れるまでの経緯は、ここまで記載してきたとおりですが、イラクの前身は別項でも詳述したオスマン帝国の一部でした。オスマン帝国はある段階まで、イスラム世界を体現する世界帝国として君臨しており、イスラム世界も一枚岩を誇っていましたが、今や現状のようなバラバラな国家群に分裂?しています。シリア,イラク等の中東情勢混迷の根底にあるイスラム世界秩序=オスマン帝国の崩壊!
②戦後処理遂行担当者の資質の相違
GHQとCPAのリーダーの資質の相違、すなわちマッカーサーとブレマーのカリスマ性、政策遂行における実行力、信念といった人間的な要素も、いわゆる占領政策遂行にあたって大きな影響があったのではないでしょうか。
③政策遂行を取り巻く地政学的環境の相違
GHQの日本統治においては、当初は軍国主義の影響を排除する目的で戦犯を中心に公職追放が横行していましたが、ソ連との冷戦が本格化すると真逆の赤狩りやレッドパージが行われはじめ、日本の再軍備や産業力の強化が至上命題になっていきました。そういう中で日本は非常に恵まれた環境で戦後を過ごすことになりました。
他方でイラクや中東は、イスラム世界がテロの温床であるとの市民レベルでの広範なイメージの悪化や駐留軍の士気や質の低下、刑務所内での拷問の横行など中東と西側世界が戦後に和解する要素がほとんど皆無と言っていい好ましくない環境が出来上がってしまいました。

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このような要素も相俟って日本の対米従属路線は定着し、戦前が地獄に思われるほどの優遇された国際環境の好転の中で、日本は高度成長を現出し、「アメリカとともに歩めば間違いない」との広範な国民的コンセンサスが非常に自然かつほぼ完璧に日本の国策としてビルトインされることになりました。

これは、当にかつての中華帝国の周辺弱小異民族が、帝国の一員として味わった安定、平和、繁栄、調和と類似しており、外界からは一見不合理で不平等な矛盾に満ちて見える帝国的秩序が、想像を超えた永続性を維持する根拠のような気がします。
そういう意味で日本が、太平洋戦争の「戦後」を70年以上にも渡って、後生大事とでも言うように維持し続ける理由も、アメリカと言う「帝国」の周縁部の一員として生き続ける安楽さや過ごしやすさが、途方もなく居心地がよい、ということの証左となるのでしょう。
さしずめ自民党政権は、その帝国的秩序の典型的な構成要素となりましょうか。

尚、本稿に関連した自民党政権の対米従属、朝貢外交傾向を分析した以下の内容もご参照ください。

トランプ大統領ファーストでアメリカの属国のような日本の現状と自民党政権の限界!

トランプ大統領ファーストでアメリカの属国と化した日本の現状は日米地位協定に明記されている!

トランプ大統領べったりでアメリカの属国もどきの日本の現状から脱するための具体的な方策を探る!