帝国支配の本質とその統治構造!

トランプ時代を迎えた世界の緊迫した情勢を帝国をキーワードに把握し、世界及び日本の在り方を包括的に検討し、アメリカがアメリカファーストに走る状況下での日本、中国、中東、欧州の対応を構想する。 

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毛沢東が蒋介石を打倒し共産党一党独裁体制で中国全土を支配するために直面した革命課題の解明!

      2018/10/04

国共内戦に勝利した中国共産党が、中国における社会主義革命を遂行するにあたって直面した課題について検討する。

1.中国共産党が革命後に直面した課題
 1)国民党から引き継いだ中国の現状の打開
 2)中国共産党独自の国民国家建設方針
2.中国の現状を打開するための革命主体の組織化
 1)中国共産党による新たな革命主体の選択
 2)無限のエネルギーを保持する農民層の国民国家建設への動員
3.中華民国時代の中国の現状と打開すべき革命課題の整理
 1)中華民国時代の中国の現状
 2)中華民国時代の中国の現状を打破するための革命課題

1.中国共産党が革命後に直面した課題

毛沢東,蒋介石

1)国民党から引き継いだ中国の現状の打開

1949年10月1日に、天安門楼閣上において、毛沢東が中華人民共和国の成立を宣言し、ここから中華世界は、中国共産党主導下に新たなる歴史を刻み始めることとなった。
中国社会主義革命を実現した中国共産党が、まず直面した革命課題は、実際のところ、前政権である中国国民党が直面していた課題と同様であり、中華世界における国民国家の建設と国民党が果たせなかった政治課題の実現にあった。(1)
革命直後の中華世界の状況は、国民党統治下の中国の現状をそのまま引き継いでいたわけであり、そこからどのような未来図を描くかは、毛沢東を始めとする共産党指導部の方針次第であった、と言えよう。

2)中国共産党独自の国民国家建設方針

蒋介石,宋美齢
このように中国共産党の目指すものは、基本的に国民党と同様であり、政治環境に関しても大差ない状態で、共産党が中華世界を引き継ぐことになった。国民国家建設に、最終的に失敗した国民党による未完の国民革命を完遂するにあたって、共産党は国民党による国民国家建設主体とは異なる、新たな革命主体と革命方法を模索して、組織化することで、国民国家建設の新たな地平を切り開こうとした。(2)
共産党は、国民党の轍を踏むわけにはいかなかったが、既に国民党が失敗した革命方法を、いろいろと咀嚼する中で、新たな革命方式を編み出していったのではないかとも考えられる。

2.中国の現状を打開するための革命主体の組織化

長征

1)中国共産党による新たな革命主体の選択

新たな革命主体に関して言えば、国民党主体から共産党主体に変革されたが、このことは、国民国家建設を巡る大きな構造的な変化とは言い得ないところであった。すなわち、国民党も共産党も上からの国家建設、改造を目指したと言う見地からは、同様と言える状況であった。国民党による国家建設と共産党のそれとの最大の相違点は、後者が農民階級の変革エネルギーの革命状況への反映や組織化に成功したことが大きかった。(3)
共産党の農村への浸透は当初は、自ら選択した方針と言うよりは、上海をはじめとする都市部において、国民党との抗争に敗北したため、やむを得ず選択された一面が大きかった。しかし、その後の展開を考えると、革命根拠地の農村への移転と毛沢東の柔軟な指導の合体が、成立したことにより、中国革命の推進力が得られたと言っても過言ではなかった。

2)無限のエネルギーを保持する農民層の国民国家建設への動員

農民反乱
中国においては、王朝崩壊時に常に農民の大反乱が発生し、旧王朝の残滓を徹底的に破壊しつくすのが常であったが、共産党もそのような無限とも言えるような農民層のエネルギーを巧みに汲み取って、革命闘争に注入することに成功したのである。
さらに、共産党は国民党に無い国民国家建設手法として、社会主義的な手法を採用し、国民革命遂行の有効な達成手段として活用することを試みたのであった。
     

3.中華民国時代の中国の現状と打開すべき革命課題の整理

太平天国の乱

それでは、国民党が中華民国時代に成し遂げられなかった中国の現状とそれを打破するための革命課題を以下に列挙する。

1)中華民国時代の中国の現状

①欧米の帝国主義列強により、侵略の対象となったことによる、反植民地状態の恒常化
②清朝以来の身分制の残存や市民階級の未成熟、欧米列強からの人種差別的な支配の甘受
③清朝以来の分散経済の残存や欧米列強による半植民地による収奪による人民の貧困化
④清朝の中央集権体制が瓦解したことによる群雄割拠的な状況の招来
⑤清朝の中央集権的軍中枢掌握の崩壊による構造的内戦状態の膠着化
⑥党による上からの支配による人民大衆の政治的疎外と国民意識の未分化

2)中華民国時代の中国の現状を打破するための革命課題

自力更生

①独立の達成:欧米列強による反植民地化状況を打開と独立した主権国家の再建
②自主自立自由の実現:自主独立の気概を持つ市民階級の創生と自由自立した市民による市民社会の構築
③経済的富国化:反植民地状態から自立した経済体制の確立と工業化による産業強化の実現
④領域支配の貫徹:領域内における統一的な支配と中央集権化した国家体制の確立
⑤領域内における平和:軍中枢の中央支配の確立と唯一の国軍確立による軍閥割拠状態の解消
⑥人民の政治参加:人民大衆の政治的自覚の覚醒と政治参加による国民国家意識の創生(4)

  

参考文献
(1)横山宏章:中国の政治危機と伝統的支配 研文出版 1996 第12章 中国における国民国家建設の課題と方法 p359
(2)横山宏章:中国の政治危機と伝統的支配 研文出版 1996 第12章 中国における国民国家建設の課題と方法 p359
(3)横山宏章:中国の政治危機と伝統的支配 研文出版 1996 第12章 中国における国民国家建設の課題と方法 p359
(4)横山宏章:中国の政治危機と伝統的支配 研文出版 1996 第12章 中国における国民国家建設の課題と方法 p360

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